日本精工がヒューマノイド用回転・伸縮アクチュエータを発表、2028年市場化目標

NSKが新型アクチュエータ公開 ヒューマノイドの「しなやかな腕」実現へ

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人の腕に見立てた関節が回り、細いロッドが伸び縮みする。その心臓部に当たるアクチュエータを、日本精工(NSK)が新たに示した。2025年11月6日、ヒューマノイドロボット向けのロータリーとリニアの2種を発表。小型・軽量・高バックドライバビリティを軸に、しなやかな動きと安全な協働を支える狙いだ。12月の「2025国際ロボット展」で参考出展し、2028年の市場投入を見据える。

しなやかさを支える設計

開発品は、軸受と直動の蓄積にメカトロ技術を重ねた機電一体構造だ。電源ソリューションに強いデルタグループ(デルタ電子)と組み、内蔵モータとドライバを最小限のスペースに収めた。配線や制御を含めて部品点数を抑えることで、軽さと信頼性を両立し、ヒューマノイドの可動域を損なわずに組み込める。

関節部に向けたロータリーアクチュエータは、小型軽量タイプでトルク重量比約110N・m/kgをうたう。中心に中空穴を確保して配線や配管の取り回しを高め、負荷トルクの推定制御でバックドライバビリティの質を引き上げた。つまり外力に対する応答が素直で、押されればたわむ関節に近づく。

腕や脚の駆動を想定したリニアアクチュエータは、ボールねじで高いバックドライバビリティ(外力に応じて逆方向に動きやすい性質)を確保した。高密度かつ高放熱のレイアウトでサイズと重量を抑え、最大推力重量比は約4300N/kg。効率のよい力伝達が、省電力化や長時間稼働にも寄与する設計である。

小型・軽量の意味

ヒューマノイドには、人の体格や重心に近い設計が求められる。小型・軽量のアクチュエータは、骨格の自由度を狭めず、配線や配管の自由度も担保する。中空穴の活用は視覚センサや空圧系の取り回しを助け、関節の造形をすっきり保つ。結果として、姿勢制御の自由度が増し、歩行や把持の滑らかさにつながる。

比出力の向上は、同じ力をより少ない質量で生み出せることを意味する。重量を削れば必要な電力が下がり、電池の搭載量や冷却の設計にも余裕が生まれる。移動・作業・待機をまたぐ実運用では、この余白が運用コストと可用性に効く。軽さは単なるカタログ値ではなく、全体設計の選択肢を広げる鍵になる。

さらに高バックドライバビリティは、人と接触する場面の安全側に働く。押されれば引き、つかめば受け流す関節は、力覚センサやソフトウェア制御と組み合わさることで協働の安心感を底上げする。硬さだけに頼らない設計は、産業用ロボットの文脈とは異なる価値を、ヒューマノイドに与えつつある。

ロードマップと広がり

同社は2025年11月6日の発表時点で、12月開催の「2025国際ロボット展」に参考出展するとした。会場での対話を起点に、顧客との共同検証や試作評価を重ね、サンプル提供も順次進める方針だ。量産の起点は2028年を見据える。要素部品の磨き込みと並行して、システム側での適用検証を前倒しで走らせる構えである。

制御面では、デルタ電子との協業により内蔵ドライバと高速通信(EtherCAT:産業用Ethernet規格)に対応する。分散制御や遠隔操作を視野に、ソフトウェアで特性を引き出す設計だ。機械と電気、そしてソフトが一体で調整できれば、同じハードでも用途に応じた“性格”を後から与えやすくなる。

同社はロボティクス領域をグローバルに拡張し、2036年には主要事業の柱へ育てる計画を掲げる。要素技術を束ねて関節の質を上げるという足下の改良は、派手さはないが積み上がるほど効いてくる。会場で動く試作機の評価が、設計と量産の距離を少しずつ縮めていくはずだ。

参考・出典

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