Nvidia CEO、米ワシントンで会談後H200AIチップの対中受け入れ不透明

H200輸出は「規制緩和しても不透明」 NVIDIAトップが中国市場の壁に言及

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米半導体大手NVIDIAを率いるジェンスン・フアンCEOが12月3日、ワシントンでトランプ米大統領と会談し、対中AI半導体輸出を巡る交渉の中心に立った。会談後、連邦議会議事堂で記者団に対し、H200と呼ばれる自社のAIチップについて「規制が緩んでも、中国が受け入れるかどうか分からない」との趣旨を述べ、米政権の緩和策がそのまま商機にはつながらないとの見方をにじませた。

中国側の選択肢が増えたAIチップ市場

フアン氏は、米国が対中輸出規制を緩めたとしても、性能を抑えた「劣化版」のチップでは中国企業が購入に応じない可能性があると指摘している。H200は前世代H100より大容量メモリを搭載した先端GPUで、生成AIの学習や推論に用いられるが、中国向けには性能を落とした仕様が検討されているとされる。米政府の思惑は「安全な範囲で一定の輸出を認める」ことだが、すでにファーウェイなど中国勢の国産GPUも台頭しており、ユーザーが米国製だけに依存しない環境が広がっている。

米中対立が激しくなったここ数年、先端AIチップの対中輸出は段階的に絞られ、NVIDIAのH100やその派生製品は厳しい規制対象となってきた。その結果、中国側では在庫を積み増したり、海外データセンターを経由して計算資源を調達したりと、多様な調達ルートを模索してきた経緯がある。今回、H200の一部解禁が検討されているのは事実だが、Huang氏の発言は、もはや「売るか・売らないか」だけでは主導権を握れないほど、AIチップ市場の選択肢が広がっている現実を映し出している。

揺れる米輸出規制とNVIDIAのかじ取り

トランプ政権は、バイデン政権下で導入された包括的なAIチップ輸出規制の見直しを進めており、H200を中国向けにどこまで認めるかが大統領の判断待ちと報じられている。一方で、より性能の低いH20チップについては、禁止と緩和を行き来する政策変更が続き、NVIDIAは数十億ドル規模の売上減少を見込むなど、業績への影響も大きかった。こうした揺れ動くルールは、中国の軍事・監視用途を抑え込むという安全保障上の狙いと、米企業の成長や株価を重視する政治判断の綱引きの中で形作られている。

フアン氏自身は、これまで米政府の一部規制について「米企業の売上を失わせ、中国の自立を促した」と問題点を指摘しつつ、国家安全保障上の一定のガードレールには理解を示してきた。政権側も、NVIDIAに対し米国内データセンター投資や、中国向け売上へのレベニューシェアを求めるなど、新たな「取引型」の統制モデルを模索している。ただ、どれだけ制度を細かく設計しても、最終的にチップを採用するかどうかを決めるのは世界中のAI開発企業だ。今回のH200を巡る発言は、米国の規制緩和だけではサプライチェーンの主導権は取り戻せず、市場側の選択と安全保障上のリスク評価がこれからも交錯し続けることを静かに物語っている。

参考・出典

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