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ロシア国防省は2025年12月30日、核搭載も可能だとする中距離の極超音速弾道ミサイル「オレシュニク」を同盟国ベラルーシで実戦配備したと発表し、移動式の発射車両を映した動画を公表した。場所や配備規模が見えにくいまま、欧州側の警戒が先に強まっている。
国境線の近さがもたらす「時間の短さ」
配備先のベラルーシはウクライナに接し、ポーランド、リトアニア、ラトビアなどNATO加盟国とも国境を共有する。中距離級のミサイルが同国内で運用されれば、発射地点がロシア本土より西に寄る分だけ、欧州側の警戒時間や防空計画の組み立てが難しくなる。
国防省が公表した映像は、森林地帯で移動式発射機が迷彩網をかけられ、部隊が配置に就く様子を映す一方、所在地は示していない。Reutersは米研究者2人が衛星画像を分析し、ベラルーシ東部の旧空軍基地にミサイルと発射装置が置かれた可能性が高いとの見方が出ていると報じた。
核の威嚇とウクライナ支援、にじむ狙い
核搭載も可能だとされる兵器の前進配置は、軍事的な射程だけでなく、外交上の圧力の道具にもなり得る。西側の一部専門家は、NATO諸国によるウクライナへの兵器供給を抑え込むため、ロシアが核の威嚇への依存を強める動きだと指摘している。AP通信によると、ルカシェンコ大統領は最大10基が配備されるとの説明をしている。
TASS通信は2025年5月、ベラルーシ側の安全保障会議幹部が年内配備と配置場所の決定に言及したと伝えており、今回の映像は「計画が現実になった」と印象づける狙いも透ける。ただ、核弾頭が現地に持ち込まれるか、指揮権限や運用ルールをどこまで共有するかは公表されていない。透明性の低さが、危機時の誤認や計算違いを招く懸念は残る。
参考・出典
- Belarus shows off deployment of Russian nuclear-capable Oreshnik missiles on its territory
- Russia says its nuclear-capable Oreshnik missiles have entered service | AP News
- Oreshnik will appear in Belarus by yearend, deployment sites determined — Security Council – Military & Defense – TASS
- Russia claims to have moved nuclear-capable missile system into Belarus | Russia | The Guardian
- Satellite Images Appear To Show Secretive Construction Of 'Strategic' Base In Belarus
