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フィリピン国防省は2025年12月12日、中国軍機が自衛隊機にレーダーを照射したとされる事案に深い懸念を表明し、日本の立場を支持した。公海上空での危険な行為は許されないとし、偶発的な衝突の芽を早い段階で摘む必要性をにじませた。
「公海上空の危険行為」をめぐり、フィリピンが日本側に立った
フィリピン国防省は声明で、沖縄周辺の国際空域で起きたとされるレーダー照射は、地域の安定を損ねかねない「危険でエスカレートを招く」行為だとの認識を示した。国際法に沿って行動する国々の正当な活動を脅かす、とも位置づけた。
注目されるのは、当事国が日本と中国であるにもかかわらず、第三国の防衛当局が明確に「日本支持」を打ち出した点だ。南シナ海を含む周辺海空域で緊張が続くなか、同じ基準で危険行為を線引きすることが、各国にとっての安全網になりつつある。
照射の事実関係は平行線、同盟国の発信が「抑止」と「火種」を併せ持つ
日本の防衛省は、2025年12月6日に沖縄本島南東の公海上空で、中国海軍の空母Liaoningから発艦したJ-15戦闘機が、航空自衛隊のF-15戦闘機に対して断続的にレーダーを照射したと発表した。2回発生し、機体や隊員に被害はなかったとしている。
一方、中国外務省は、訓練は国際法と国際慣行に合致し、レーダーの運用も飛行安全のための通常の措置だと主張する。むしろ日本側が訓練区域に近接して偵察し、妨害したことがリスクを高めたとの立場で、抗議を受け入れないとしている。
米国は12月10日、中国の行動を地域の平和と安定に資さないとして批判し、日米同盟へのコミットメントを改めて示したとReutersが報じた。AP通信は、豪州も懸念を表明したと伝えている。各国の「支持」や「非難」が重なれば抑止にはなるが、当事者間の説明が噛み合わないまま接近遭遇が続けば、誤算の余地も残る。
参考・出典
- Radar Illumination of JASDF Aircraft by Chinese Military Aircraft (Dec. 7, 2025) | Japan Ministry of Defense
- PH backs Japan amid China's radar incident involving aircraft
- Japan protests after China military jet locks radar on Japanese aircraft
- US backs Japan in dispute with China over radar incident | Reuters (Dec. 10, 2025)
- Foreign Ministry Spokesperson Guo Jiakun’s Regular Press Conference on December 8, 2025
