本サイトの記事や画像はAIが公的資料や報道を整理し制作したものです。[続きを表示]ただし誤りや不確定な情報が含まれることがありますので、参考の一助としてご覧いただき、実際の判断は公的資料や他の報道を直接ご確認ください。[私たちの取り組み]
中国人民解放軍の東部戦区（台湾方面を担当）は2025年12月29日、台湾周辺で合同演習「正義使命2025」を始めると発表した。陸海空軍に加え、ロケット軍（ミサイル部隊）も参加し、艦艇や軍用機を複数方向から展開して封鎖などを想定した訓練を行うという。政治的な威嚇の色が濃い一方、海空の通り道がどう影響を受けるかが、まず現場の焦点になる。
海空の通り道が狭まる、封鎖訓練の実務
東部戦区は、戦闘準備パトロールや制空・制海の確保、港湾や重要区域の封鎖を重点にすると説明した。台湾側の報道などでは、12月30日に台湾周辺の複数エリアを指定し、実弾射撃を含む訓練を予定している。Reutersは、台湾の航空当局が一時的な危険空域の設定に触れ、代替ルートの調整を進めていると伝えた。
封鎖訓練は、軍事的には「近づけない状況」を作る手順の確認だが、民間側から見ると航路・漁場・航空路の微調整が増える。見落としにくいのは、演習が単発で終わるか、期間や頻度が積み上がるかだ。防衛省防衛研究所（NIDS）は過去の台湾周辺演習を、対外的なシグナルと同時に統合作戦の練度確認という面から整理しており、今回も同じ二面性を意識する必要がある。
台湾側は即応訓練、緊張は「平時の運用」を押し広げる
中国側は今回の演習を、台湾の独立志向や外部の関与への警告だと位置づけ、主権と統一を守るための行動だと主張している。これに対し台湾の総統府は厳しく非難し、台湾の国防部は「即時戦備演習」（短時間で部隊を動かす訓練）を行う方針を示したと、フォーカス台湾（中央社）が報じた。Reutersも台湾側が部隊の警戒を強めたと伝えている。
論点は、演習が「脅し」なのか「準備」なのかを外から一意に決められない点にある。平時の訓練に見せつつ、接近距離や実弾の扱いが増えるほど、偶発的な接触や誤認のリスクは上がるとの懸念が出やすい。双方が「通常の範囲」と説明する場面でも、航路情報の周知や運用上の連絡の仕組みをどう保つかが、台湾海峡の緊張管理の実務として残る。
