中国国営石油CNPC研究所トップ、シベリアの力2建設は8〜10年

「シベリアの力2」は実現まで8〜10年 中国側が巨大計画の困難さを示唆

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ロシアから中国へ天然ガスを運ぶ新たなパイプライン計画「シベリアの力2」を巡り、中国石油天然ガス集団(CNPC)系の研究所トップが11日、建設には「膨大な作業と人員、交渉」が必要だと述べ、大型案件の実現には少なくとも8〜10年かかるとの見方を示した。ロシアのプーチン大統領が9月の訪中時に法的拘束力のある覚書を誇示した一方で、中国政府は詳細を語らず、両国の思惑の差が浮かび上がっている。

増えるロシア産ガス、なくても回る中国のエネルギー

現在すでに稼働している「シベリアの力」パイプラインは2019年に送ガスを開始し、今年中に年間38bcm規模の契約能力に達する見通しだ。9月には同ルートで追加6bcm、極東ルートで将来最大12bcmまで増量することで合意しており、シベリアの力2がなくても、中国向けロシア産ガスは着実に拡大している。

一方で中国政府は、自国のエネルギー自立を掲げ、国有石油企業に巨額の上流投資を促してきた。国内ガス生産と既存パイプライン、液化天然ガス(LNG)輸入を組み合わせることで、大都市の暖房や工場向け需要を賄う体制を整えつつある。ロシアとの新パイプラインは、その選択肢の1つではあるが、不可欠な「最後の砦」という位置付けではない。

計画中のシベリアの力2は、西シベリアからモンゴル経由で中国に年間50bcmを30年間送り込む構想で、実現すればLNGより輸送コストが低く、内陸工業地帯まで安定供給できると期待される。その一方で、ロシア産ガス依存が高まり、価格や供給を巡る交渉余地が将来の家計や産業コストを左右する比重も増すことになる。

「市場ベース価格」と非対称な交渉力

欧州へのガス輸出がウクライナ侵攻後に細り、中国向けパイプラインを「生命線」と位置付けるロシアにとって、シベリアの力2は失った市場を埋める切り札だ。プーチン大統領は、価格も欧州市場に連動した「市場ベース」の仕組みで中国に有利だと強調し、政治的成果として繰り返しアピールしている。

しかし、中国側は覚書の公表後も詳細な説明を避けている。エネルギー専門家のDaniel Yergin氏は、巨額パイプラインには価格や資金調達など詰め切れていない論点が多く、完成まで世間が想像する以上の時間がかかるとの見方を示す。中国は他地域からのLNGや国内増産で当面の需要を賄えるため、急いで最終決断を下す必要がないという指摘もある。

今回のCNPC研究者の発言は、シベリアの力級のガスプロジェクトは着工から稼働まで8〜10年を要し、なお「膨大な作業と人員、交渉」が残っていることを改めて示したものだ。ロシアの切迫感と対照的に、複数の選択肢を持つ中国は時間を味方につけて条件を見極めており、この非対称な関係が計画の行方を左右し続けるだろう、というのが本稿の結論である。

参考・出典

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