イスラエル軍立ち入り禁止のガザに右派侵入、軍は監視下で退去

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2025.12.19

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イスラエル軍が「立ち入り禁止」とするガザ地区に、右派活動家の一団が2025年12月18日に侵入し、旧入植地周辺で国旗を掲げた。軍は監視下に置いたうえで帰還させたが、戦闘地域の境界を市民が越える行為は、前線の運用と政治の距離をあらためてあぶり出す。

「越境」の瞬間に、軍は何を守ろうとしたか

Ynetnewsなどによると、約20人の活動家が民間車両で国境を越え、数百mガザ側に入ってイスラエル国旗を掲げた。軍は部隊を向かわせ、現場から戻したと説明する。のちに別地点でも、別の市民がフェンス突破を試み、緩衝地帯まで入ったという。

軍が強調するのは、ガザが「閉鎖軍事区域」である点だ。閉鎖軍事区域は、軍が安全上の理由で立ち入りを禁じ、違反が拘束対象にもなりうる区域を指す。市民の侵入は本人の危険だけでなく、部隊の配置や監視の手間を増やし、作戦の自由度を削る形で跳ね返る。

再入植の象徴が、国際圧力と同じ画面に映る

活動を主導したとされる右派団体Nachalaは、旧入植地クファルダロムやモラグ周辺で旗を掲げ、入植再開を求める「第一歩」と位置づけた。AFPも、参加者が再占領と再入植を訴える象徴行動だったと伝える。クファルダロムは、2005年8月のガザ撤退で強制退去が行われた場所の一つで、撤退は同年9月12日に完了した。

ただ、この種の「象徴」は国内向けの動員である一方、国外には別の文脈で受け取られる。Reutersは12月17日、国連と200超の支援団体が、イスラエル側の手続きや制約でガザの人道活動が立ちゆかなくなる恐れがあると警告したと報じた。境界で起きる政治的なパフォーマンスは、前線の安全管理だけでなく、支援や統治の議論にも余計な摩擦を持ち込みかねない。

「越境」の瞬間に、軍は何を守ろうとしたか

再入植の象徴が、国際圧力と同じ画面に映る

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