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スーダン南部・南コルドファン州カロギの幼稚園と病院が、準軍事組織RSF(即応支援部隊)によるとされる無人機攻撃を受け、多数の市民が犠牲になった。攻撃は4日に3度繰り返され、子どもを救おうとした人びとも爆発に巻き込まれたと、現地行政責任者が7日、衛星インターネットを通じてAFPに証言している。長期化する内戦の中で、なぜ子どもと医療施設が最前線に置かれ続けるのかが、改めて問われている。
救助に向かった人びとも犠牲に 通信遮断の中で伝わった惨状
カロギは軍の支配下にある町で、周辺ではRSFと政府軍の戦闘が激しくなっていた。4日の無人機攻撃では、最初の爆発が幼稚園を直撃し、続いて近くの病院が狙われた。3度目の爆発は、がれきの中から子どもたちを助け出そうとした住民を直撃したとされる。救助行為そのものが標的になった可能性が指摘され、人道法違反の疑いが強まっている。
正確な犠牲者数は、今も定まっていない。医師団体や州政府の発表では、死亡者は50人前後から79人まで幅があり、そのうち子どもが30人台から40人以上を占めるとの報告もある。現場一帯は通信網が寸断されており、負傷者の搬送状況や行方不明者の数を確認することさえ難しい。医療従事者たちは、被害情報を外部に伝えることと、次々と運び込まれる負傷者の治療との間で板挟みになっている。
子ども専門の施設や病院への攻撃は、国際人道法が「保護すべき対象」として明確に禁じている。今回の一連の攻撃を受けて、国連児童基金(UNICEF)は「学校で命を奪われることは、子どもの権利への重大な侵害だ」と強く非難し、即時の攻撃停止と人道支援の安全な通行を求めた。しかし、国際機関の声明が住民の安全をすぐに保障するわけではなく、カロギでは今も、再び無人機が上空に現れるのではないかという不安がくすぶる。
無人機と同盟勢力 南コルドファンが「新たな戦場」になるまで
地元当局者は、今回の攻撃をRSFと、その同盟勢力であるスーダン人民解放運動北部派(SPLM-N、アブデルアジーズ・アルヒル派)の仕業だと非難している。RSFはもともとダルフール地方の民兵を母体とする準軍事組織で、2023年4月から正規軍と激しく衝突してきた。ダルフールでの残虐行為が国際社会の批判を浴びる一方、ここ数カ月はエルファーシル制圧後に戦線をコルドファン地域へ広げつつある。
南コルドファンは油田など資源も抱える内陸州で、SPLM-Nが一部地域を長年実効支配してきた。そこにRSFが入り込み、政府軍と三つどもえの構図が強まったことで、前線と後方の境目があいまいになっている。今回のように、軍の支配地域とされる町でも、無人機による奇襲で一瞬にして「戦場」に変わりうる。RSF側にとっては、自らの勢力圏外でも、比較的低コストで打撃を与えられる手段となっている。
一方で、州政府や外務省は、RSFが子どもや医療施設を意図的に狙った「虐殺」だと非難し、ジェノサイド(集団殺害)行為だとまで表現している。国連人権高等弁務官のフォルカー・テュルク氏も、コルドファン一帯でダルフールと同様の残虐行為が繰り返される恐れを警告し、武器供給を止めるよう各国に求めている。しかし、外部からの非難と制裁の議論が進む間にも、現地では双方による砲撃や空爆で一般市民の犠牲が積み重なっている。
「見えない戦争」の中で、子どもと医療をどう守るか
今回のカロギ攻撃は、スーダン内戦が始まって以降、学校や病院が繰り返し標的となってきた流れの延長線上にある。北コルドファン州でも11月以降、RSFの無人機攻撃や政府側の空爆で多数の市民が犠牲になったと報じられており、コルドファン3州全体が「誰も安全ではない」状況に近づきつつある。単発の事件ではなく、無人機と航空兵器による戦い方が常態化していることが、問題の根を深くしている。
無人機は操縦者のリスクを抑えつつ、遠方の目標を精密に攻撃できるとされる一方で、監視や検証が難しい側面もある。通信遮断が続く地域では、誰がどのような意図で攻撃したのかを第三者が確認しにくく、責任追及や補償の議論が遅れがちになる。現地の医師団体や人権団体は、国際的な調査団が早期に入り、学校や病院への攻撃事例を体系的に記録する仕組みづくりを求めている。
国際機関は、子どもと医療施設を守るための原則を繰り返し掲げてきたが、それを実際の戦場で機能させるには、武器供給の管理や、加害者にとっての「コスト」を高める仕組みが欠かせない。国連が求める武器禁輸や制裁が実現したとしても、通信網が遮断され、記録と証言が届きにくい状況が続けば、違反の立証は容易ではない。カロギで起きた出来事は、子どもと医療現場を守るための国際ルールを、無人機と通信遮断が支配する時代にどう実効あるものへ変えていくのかという、重い課題を突き付けている。
参考・出典
- Drone strikes on Sudan kindergarten, hospital kill dozens: local official
- Sudanese paramilitary drone attack kills 50, including 33 children in Kordofan, doctor group says
- More than 10 children reportedly killed in attack on kindergarten in South Kordofan, Sudan
- Sudan accuses RSF of killing 79 civilians in West Kordofan drone strike
- UN warns of new wave of atrocities in Sudan’s Kordofan region
- Drone strikes on Sudan kindergarten and hospital kill dozens, local official says
- 43 children among 79 civilians killed in RSF drone attack in South Kordofan, Sudanese authorities say
