本サイトの記事や画像はAIが公的資料や報道を整理し制作したものです。[続きを表示]ただし誤りや不確定な情報が含まれることがありますので、参考の一助としてご覧いただき、実際の判断は公的資料や他の報道を直接ご確認ください。[私たちの取り組み]
訪日客の増勢が続くなか、ロシアからの来訪が目立ってきた。日本政府観光局（JNTO）の推計では、2025年1〜11月の訪日外客は累計3906万5600人で、2024年の年間総数をすでに上回った。ロシアは同期間で18万6700人と前年の約2倍に増え、訪日需要の「行き先選び」にビザの差が影を落としている。
ビザのハードル差が「観光ルート」を変える
JNTOの国・地域別データでは、ロシアからの訪日客は11月単月でも2万7400人と前年同月（1万3852人）からほぼ倍増した。増加の背景として語られるのが、欧州側の入域管理の厳格化だ。テレビ朝日系は、EUがロシア人向けに複数回入域できる「マルチビザ」の発給停止を決めたと伝えており、渡航のたびに申請が必要になる方向だ。
一方、日本はロシア国籍者に査証（ビザ）が必要な国のままだが、観光目的の申請自体は続いている。円安も重なり、在ロシア日本大使館が申請の増加を見込んでモスクワとサンクトペテルブルクにビザセンターを設ける計画を進めていると報じられた。観光需要の上積みは、同時に審査と事務処理の負担増も伴う。
増えたのはロシアだけではない、問われる受け入れの作法
ロシアの伸びは全体の一部にすぎない。11月の訪日外客は351万8000人で、1〜11月の累計は過去最高を更新した。ロシアも、北欧や中東などと並び「累計で年間過去最高を更新した市場」に含まれる。旅行先が一気に動く局面では、航空便や宿泊の手配だけでなく、入口にあたるビザ運用の混雑が体感のボトルネックになりやすい。
論点は「受け入れるか、拒むか」という二択ではない。需要が増えるほど、入国審査に先立つ書類確認をどう回し、旅行会社や代行業者の関与をどこまで許容するかといった運用の設計が前に出る。インバウンド拡大を掲げる政策目標の下で、特定市場の急増が起きたときに、手続きの透明性と処理能力をどう両立させるかが問われている。
