サウジ主導連合軍がSTCに警告、軍事行動なら即時対処示唆

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2025.12.29

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イエメン南部の主導権をめぐり、サウジアラビア主導の連合軍が南部独立派「南部暫定評議会（STC）」に警告を発した。12月27日、連合軍はSTCの軍事行動が沈静化の流れを壊すなら「直接かつ即時に対処する」とし、対立が軍事衝突に発展した場合は国際的に承認されたイエメン政府側を支援する姿勢も示した。

「平和的撤退」を求める一方、空爆疑惑で緊張が跳ね上がる

焦点は東部ハドラマウト州とマフラ州だ。政府側は、STCが最近掌握したとされる地域から「平和的に」撤退するよう促している。現場では検問や部隊配置が変われば、物流や燃料の流れ、行政サービスにも影響が出やすい。油田地帯を抱える地域だけに、治安の綻びはすぐに生活面の不安へつながる。

緊張を一段押し上げたのが12月26日の空爆だ。報道では、ハドラマウト州にあるSTCの拠点がサウジ側の空爆を受けたとされ、STCは関与を非難している。連合軍は「民間人保護」を掲げるが、力による現状変更を止めるのか、抑止が逆に全面衝突の引き金になるのか、綱渡りの局面に入った。

分裂が示すのは「対フーシ派」と「南部の将来像」のねじれ

今回の衝突は、北部のフーシ派（武装組織）に対抗してきた陣営内部の亀裂を表面化させた。STCはアラブ首長国連邦（UAE）の支援を受けてきたとされ、サウジは政府側を支える立場だ。つまり、同じ「反フーシ派」でも、国家の一体性を優先するのか、南部の分離独立を容認するのかで、利害がかみ合わない。

米国は自制と外交的解決を呼びかけている。論点は二つある。第一に、部隊の撤退や治安移管をどの手順で進めるかという実務の問題。第二に、南部の「政治的な落としどころ」を武力ではなく対話に戻せるかという政治の問題だ。撤退が遅れれば、連合軍の介入判断とSTCの反発が連鎖し、停戦や沈静化の枠組み自体が揺らぐ懸念が残る。

「平和的撤退」を求める一方、空爆疑惑で緊張が跳ね上がる

分裂が示すのは「対フーシ派」と「南部の将来像」のねじれ

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