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尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で、中国海警局の船が「ほぼ毎日」見える状態が続いている。第11管区海上保安本部(那覇)は2025年12月30日、領海の外側にある接続水域で中国海警船の航行を確認した日数が今年356日に達し、2012年9月の尖閣国有化後で最多になったと発表した。領海侵入は27件、領海で操業する日本漁船に近づこうとした事案は8件だった。
漁船の操業と警備、数字が示す「日常化」
接続水域での確認が356日という数字は、年末年始や荒天などを除けば「姿が見えない日」の方が少ない計算だ。海保は、領海に近づく動きがあれば巡視船で警告し、領海侵入に転じないよう監視を続ける。漁船が操業する場面では、無線連絡や警戒の動きが重なりやすい。8件の「漁船に近づこうとした動き」は、操業の安心感そのものを揺らす要素になる。
今年は、年間最多だった昨年(355日)を上回った。第11管区の発表では、年末時点で接続水域での確認が連続している日数も続いており、現場は“特別な出来事”ではなく“日々の業務”として対応を積み重ねる局面に入っている。2025年6月には、接続水域での連続確認が国有化後で最長を更新したとも伝えられており、長期化が前提になりつつある。
接続水域と領海、線引きが残す課題
「接続水域」は領海の外側に設定される海域で、海の上の線引きがそのまま対応の線引きにもなる。海上保安庁の説明では、領海は基線から12海里(約22キロ)までで、沿岸国の主権が及ぶ。一方、接続水域はその外側に連なる範囲として位置づけられ、外国船の航行自体を一律に止める区域ではない。現場では、接続水域での航行確認が“警戒のスイッチ”になり、領海に入った瞬間に緊張が一段上がる。
論点は、警備を強めるほど偶発的な接触のリスクや現場負担が増えやすい一方、対応を緩めれば既成事実化を招きかねないというトレードオフ(得るものと失うものが同居する状態)にある。第11管区は、情勢が厳しく予断を許さないとして、領海警備を冷静かつ毅然と続ける考えを示している。356日という数字が突きつけるのは、日々の監視体制をどう維持し、漁業の安全と偶発事案の回避をどう両立させるかという運用の問いだ。
