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造船大手ジャパンマリンユナイテッド(JMU、横浜市)は2025年12月19日、海上保安庁向けのヘリコプター搭載型砕氷型(氷を割って進む)巡視船「そうや」を引き渡した。総トン数は約4200トンで、従来の2代目「そうや」の代替として整備する。氷海域と平水域の両方で運航効率を高める船型を採用し、遠隔放水銃など装備も更新した。
流氷域の救助と警備、拠点は釧路へ
新「そうや」は厚さ約1メートルの氷を砕きながら進める能力を持ち、冬のオホーツク海での救助や海上警備の「足」を太くする。ヘリ1機の運用を前提にした大型巡視船で、夜間監視にも力点を置いたという。引き渡し後の2025年12月28日には、配備先の釧路港に初入港した。
流氷期は、漁船や貨物船が海氷に閉じ込められるなど、限られた時間で判断が迫られる場面がある。砕氷能力とヘリ運用を同じ船に持たせることで、救助の現場で「割って近づく」「上空から探す」を同時に進めやすくなる。2代目が国内最古参の巡視船だったとされ、更新で現場の負担軽減も期待される。
大型化の狙いは装備更新、課題は運用の持続性
公表されている主要寸法は全長92.4メートル、幅16.4メートル。船首形状は砕氷を意識しつつ、ヘリの発着スペースを確保する設計だと報じられている。遠隔放水銃(遠隔操作の放水装置)や30ミリ機関砲などを備え、通信・情報処理を担うOIC(オペレーション・インフォメーション・センター)も設けたという。建造は2021年度の補正予算で計画された。
一方で、大型化は航続力や装備の余裕を広げる半面、建造・維持費、そして要員確保や訓練の負担が増えるというトレードオフもある。次の焦点は、釧路を拠点にした年間運用の中で、流氷期の救助から領海警備まで出動の優先順位をどう組み、更新した装備を実任務でどう定着させるかだ。
