防衛省が米でSPY-7・イージス試験開始海上配備へ前進

防衛省が米でSPY-7・イージス試験開始海上配備へ前進

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窓のない試験棟に並んだ四つのアンテナ面が静かに点灯し、管制卓のモニターに走る線が脈を打つ。防衛省は2025年9月30日、イージス・システム搭載艦1番艦向けの米国製装備品について、米国での陸上統合試験の開始を発表した。艦の心臓部となるSPY-7レーダーとイージス武器システムを結び、海上配備の盾を形にしていく工程が動き出した格好である。

試験開始が告げる一歩前

防衛省の発表によれば、陸上統合試験は米国で2025年9月から始まり、SPY-7とイージス武器システム(AWS)を相互に連接して、実目標の捜索・探知・識別・追尾を含む処理が適切に行われるかを確かめるという。艦に搭載する前段で作動原理と連接の確度を詰める、いわば“陸の海上公試”と映る。

この手順は、艦への据付後に不具合を持ち込まないための保険でもある。発表では、2番艦向けの米国製装備でも同様の試験を行い、それぞれの装備は試験後に日本へ輸送され、造船所で建造中の船体に搭載するとしている。計画の節目ごとに検証を重ね、全体の歩調を乱さない狙いがにじむ。

海上での手戻りは時間と費用の増加に直結する。だからこそ、まず陸上で“本番さながら”に連接して動かし、データの流れと応答を確かめることに意味がある。今回の開始公表は、工程が予定線上にあることを示す合図として受け止められる。

新しい“目”SPY-7の輪郭

艦の“目”となるSPY-7は、米国で配備が進む長距離識別レーダーの技術系譜にある固体素子レーダーである。ロッキード・マーティンは2025年7月7日、1番艦用のAN/SPY-7(V)1アンテナ4面を日本側に納入したと公表した。艦のセンサー群の中核が手元に届いたという位置づけである。

同社は、装備を日本へ送る前に米国の生産・試験センターで、イージスと一体で統合・評価を進める方針を明確にしている。艦上で初めて電源を入れるのではなく、陸上で“初点灯”と連接検証を済ませてから送り出すやり方だ。統合リスクを事前に削ぎ、就役スケジュールを守るうえで理にかなう。

同社が強調するのは、複雑化する空中・弾道ミサイル脅威に対する同時対処力である。高感度の探知と安定した追尾を前提に、同時多目標の状況認識を支えることが新艦の役割を左右する。今回の統合試験は、その“見える力”を実装段階で裏打ちする工程といえる。

工程表が見せる道筋

就役の目安は、1番艦が2027年度、2番艦が2028年度と示されている。メーカー側は今年中に陸上での統合・評価を進め、装備を日本に届ける計画を掲げる。工程の要は、艦体の建造とシステムの成熟を並走させ、就役期に向けて折り重ねていくことにある。

今回の公表が描いたのは、米国で統合試験→日本へ輸送→建造中の船体に搭載という流れである。艦側の配線や冷却、電源系の準備と、センサー・戦闘システム側の最終調整を噛み合わせ、海上公試での検証項目を絞り込む。いわば“陸で仕上げ、海で確証”の段取りが浮かぶ。

安全保障環境が厳しさを増す中、重要なのは能力の立ち上げ時期と確実性だ。試験が節目ごとに結果を出せば、就役後の初動態勢にも余裕が生まれる。今回の一歩は小さく見えて、海上の盾を現実の運用に近づける重い一歩である。

参考・出典

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