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ロシア国営の航空宇宙持ち株ロステックは2025年12月22日、第五世代戦闘機Su-57に新型エンジン「プロダクト177」を搭載した状態での飛行を実施し、飛行試験を開始したと発表した。機体はテストパイロットのロマン・コンドラチェフ氏が操縦し、飛行は計画どおり行われたとしている。
「推力の数字」より先に動く、整備と増産の現実
今回のポイントは、新エンジンの性能そのもの以上に、機体メーカーUACとエンジンメーカーUECが「実機に載せて飛ばす段階」に進んだことだ。発表では、アフターバーナー推力が最大1万6000kgfで、燃費の改善や耐久性の向上も図ったとしている。滑走路での加速や上昇、長時間運用の余裕といった現場の手触りに直結する領域が、試験で一つずつ検証されていく。
一方で、飛行試験の開始は終点ではなく、量産や部隊運用へ向けた「やることの増加」を意味する。試験機が工場と飛行場を往復し、改修と再試験を繰り返すほど、供給網や整備の段取りは細かくなる。ロステックはUACが生産能力拡大のプログラムを進めているとも触れており、機体の増産と新エンジンの成熟を、同時にどう回すかが次の焦点になる。
残る問いは「いつ、どの機体に、どこまで」
プロダクト177は「第五世代向けエンジン」と位置付けられ、UECはUACと共同でSu-57での飛行試験に入ったと説明した。新エンジンは、スマホで言えば新しいOSを入れた直後のように、単体の性能だけでなく機体側の制御や運用手順まで含めて馴染ませる必要がある。公表文では、試験の期間や量産への移行時期などは具体的に示されておらず、次の更新が出るたびに「前進の幅」を見極める局面が続く。
また、日本のメディアでは、開発中のSu-75への適用可能性にも言及が出ている。だが、複数機種に広げるには、エンジンの信頼性データだけでなく、生産の余力や優先順位という別の壁が立つ。今回の発表は、技術の節目であると同時に、機体、エンジン、調達の三者が同じ時計で動けるかを試す合図でもある。
