シリア内務省、ダマスカス近郊でIS幹部殺害 米主導有志連合と連携し指導者拘束

シリア内務省、IS幹部を殺害と発表 米主導連合と共同作戦

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シリア内務省は2025年12月25日、米国主導の国際有志連合と連携した作戦で、過激派組織「イスラム国(IS)」の幹部を殺害し、別の工作員グループ指導者を拘束したと発表した。首都ダマスカス近郊での摘発が続く一方、住民が体感する安全と、治安機関の「手綱」を誰が握るのかが次の焦点になる。

首都周辺で続く摘発、日常の動線はどう変わる

内務省の説明では、治安部隊と情報機関がダマスカス近郊で「精密な治安作戦」を実施し、「モハンマド・シャハーダ」を無力化した。報道各社によると、シャハーダは「アブ・オマル・シャダド」とも名乗り、ダマスカス南西のアルブウェイダなどで標的化されたとされる。首都近郊が舞台になると、通勤路の検問や夜間の移動をためらう空気が先に広がりやすい。

同省はまた、国際有志連合と「共同調整」して、別の小集団の指導者を拘束し、武器と弾薬を押収したとしている。国営SANAは、内務省が発表した声明として、郊外マアダミヤの拠点摘発で「ダマスカスのワリ(総督)」と呼ばれるタハ・アルゾウビを拘束し、自爆ベルトや武器を押収したと伝えた。押収品が示す脅威の具体性は、当局にとって作戦の正当化材料になる一方、街側には警戒の長期化として返ってくる。

国際有志連合との連携が映す「治安の手綱」

国際有志連合は、対IS作戦で米国が主導する多国籍の枠組みだ。内務省は今回、作戦の成果だけでなく「共同調整」そのものを前面に出した。言い換えれば、ダマスカス周辺の潜伏網に切り込むには、国内の部隊運用だけでなく外部の情報・監視能力が欠かせない現実を示す。アルジャジーラは、米中央軍が作戦を公に確認していないとも報じており、発表の温度差が残る。

協力の深まりは、短期的には摘発の精度を上げ得るが、治安の主導権や説明責任という別の宿題を生む。AFP配信の記事では、今月13日にパルミラ付近で米兵らが死亡する事件が起き、対ISの緊張が高まっていた経緯も伝えられた。首都近郊の作戦が「次の攻撃を止める」ことに結びつくのか、それとも検問と摘発の連鎖を常態化させるのか。市民の安心は、成果の発表よりも、拘束後の捜査と裁判の透明さで測られる局面に入りつつある。

参考・出典

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