本サイトの記事や画像はAIが公的資料や報道を整理し制作したものです。[続きを表示]ただし誤りや不確定な情報が含まれることがありますので、参考の一助としてご覧いただき、実際の判断は公的資料や他の報道を直接ご確認ください。[私たちの取り組み]
タラップを降りた高市早苗首相の足取りは、長旅の疲れを見せながらも急いでいた。日本時間22日正午すぎ、南アフリカ最大の都市ヨハネスブルク近郊の空港に政府専用機が到着し、首相は着陸からほどなく、2日間のG20サミットという詰め込まれた日程に向け動き始めた。
南アに到着、21時間超の移動と詰め込まれた日程
首相は21日午後、羽田空港を政府専用機で出発し、シンガポールでの給油を挟んで南アまで約21時間を移動に費やした。現地到着は22日早朝で、時差の関係から日本時間では正午すぎとなる。休息を確保できる時間は限られ、同日中にヨハネスブルク市内で開幕するG20首脳会議に臨み、23日午後には帰国の途に就く強行軍である。
今回のG20は、高市政権がどんな優先課題を掲げるのかを示す場でもある。首相はインドのモディ首相や開催国ラマポーザ大統領らとの会談を調整し、防災協力や増大する債務負担の改善、電池などに不可欠な重要鉱物の供給網の安定化に向け、日本が積み重ねてきた支援の具体例を紹介する構えだ。資金だけでなく人材や技術面での関与を示し、グローバルサウスとの信頼を深めたい考えが透けて見える。
中国との距離感を抱えたままの出席
一方で、会議の裏側では中国との距離の取り方が注目されている。台湾有事を巡る国会答弁に中国が強く反発するなか、会場には李強首相が出席するが、正式な首脳会談は予定されていない。政府内では、控室や移動の合間の短い立ち話でもよいから対話の糸口を探りたいとの声があり、過去の国際会議で積み重ねてきた“偶発的な接触”の経験を踏まえ、今回も歩み寄りの余地を探る展開となっている。
高市首相は出発前、記者団に対し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り強める責任をG20全体で担うべきだと語った。同時に、中国とは建設的で安定した関係を築くという大きな方向性は変わらないとも強調した。新興国・途上国を指すグローバルサウスと先進国、さらには対立を抱える中国をも含めて、災害や債務、資源を巡る課題をどこまで共有できるのか。南アの空に各国首脳機が集まる中、日本のメッセージが静かに試されている。
