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2025年12月26日、トヨタ自動車が2026年の世界生産を1千万台超に乗せる計画をまとめたと報じられた。背景にあるのは、北米などでのハイブリッド車（HV）の堅調な売れ行きだ。HVはエンジンとモーターを併用する車で、燃費と使い勝手の両立を評価する層が厚い。2025年も通年で1千万台程度のペースという。
増産がまず迫るのは、部品と工程の「詰まり」だ
年1千万台超は、完成車メーカーの号令だけでは届かない。HVは電池やモーター、制御系など、部品点数も調達先も広がりやすい。増産局面では、部品メーカーの増産投資、物流の手当て、工場の増員や残業など、現場の負担が先に膨らむ。納期の長い車種を待つ消費者にとっては、供給の目詰まりが解けるかどうかが体感の分かれ目になる。
一方、月々の実績は揺れる。共同通信の配信を基にしたNEWSjpの報道では、トヨタが2025年12月25日に発表した11月の世界生産は82万1723台で前年同月比5.5%減、世界販売も90万11台で2.2%減だった。中国や日本の落ち込みが響いたとされる。年次計画が強気でも、地域ごとの需要や生産制約で「谷」が出る現実は残る。
記録更新の足場は固いが、「楽勝」でもない
足元の勢いを示す材料もある。Car Watchによれば、トヨタは2025年7月30日に上半期（1月~6月）の実績を公表し、グループの世界販売が554万4880台、世界生産が552万3039台といずれも上半期として過去最高になった。ここで効いているのがHVの厚みだ。電気自動車（BEV）へ一気に振り切れない市場で、選択肢としての「手堅さ」が生産計画の背中を押している。
ただ、1千万台超は「需要がある」だけでは続かない。増産に伴う品質管理の負荷、サプライチェーンの一部停止、地域ごとの補助政策や競争環境の変化が、計画の達成確度を左右する。MONOistは2025年度上期の生産動向の中で、北米でのHEV人気など地域要因が数字を動かす点を指摘している。2026年計画は、販売機会を取りにいく意思表示であると同時に、現場の詰まりを解く実務力が改めて試される局面になりそうだ。
