トランプ氏、政府再開法案を支持　超党派合意に「民主党の賛同十分」

2025.11.11

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記者団に向けてトランプ米大統領が「十分な民主党の支持がある」と声を強めたのは、2025年11月11日のことだ。最長41日に及んだ連邦政府の閉鎖を解く超党派の合意を支持すると明言し、上院は関連法案の手続きを一気に進めた。政府再開までの道筋が、数日の単位で見える位置まで近づいてきた。

合意を後押しする声と手続きの行方

上院は前段の採決で賛成60、反対40を確保し、合意案の審議を本格化させた。与党・野党の溝が深い中で、民主党の一部が賛成に回ったことが流れを変えた。採決は重ねて実施され、最終可決に向けた段取りが動き出した。可決後は下院の審議に送られる段取りで、週内の再開を見込む見方が広がった。

大統領は同日、合意への支持を改めて表明し、「非常に迅速に」政府を開けると語った。議会指導部も、法案が通れば署名されるとの前提で進行管理を急ぐ。下院は長い休会を経て早期の帰還を促されており、会期再開に向けた連絡が広がっている。政治的な駆け引きの色合いはなお濃いが、主要プレイヤーが「合意を生かす」方向で歩調を合わせ始めたのは確かだ。

一方で、上院の手続きは依然として時間を要する。討議停止や修正の可否をめぐる動議が交錯し、票読みが刻々と変わる場面もあった。可決を前提とした運びではあるが、最終票決の時刻はぎりぎりまで流動的で、議場の緊張は続いた。合意の実行力を裏づけるのは、各投票の積み上げという地道な工程にほかならない。

合意の中身と争点

今回の合意は、当面の政府資金を年明けまで暫定的に手当てする「継続予算（CR）」の枠組みで進む。閉鎖中に発出された人員整理の通知を無効化し、対象職員の復帰と未払い賃金の支払いを担保する条項が柱だ。まずは止血を優先し、機能を素早く立て直すことに狙いがある。

一方、民主党が重視する医療保険の保険料補助（ACAのプレミアム税額控除）については、延長の「約束投票」を先送りで確保するにとどまった。恒久化や即時延長を求める声は根強く、党内の反発も小さくない。賛成に回った穏健派は「再開を優先し、医療費の議論は次の局面で続ける」という判断を示した格好だ。

与党側には、閉鎖長期化の政治コストを抑えたい計算が働く。野党側には、補助の延長を次の交渉材料として確保したい思惑がある。制度の中身を巡る意見は割れたままだが、生活への影響が拡大する局面では「まず開ける」現実路線が勝った、そんな配置に見える。可決後の省庁運営や実務復帰を通じ、合意の効能と課題が立体的に浮かぶはずだ。