国家安保を理由に停止　米国が洋上風力計画を凍結

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2025.12.23

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米トランプ政権は2025年12月22日、建設中の大規模洋上風力について、連邦政府が結ぶリース契約を「一時停止」すると発表した。対象は東海岸の5案件で、停止は即時。理由は国家安全保障だが、現場の工事や資金繰りにまず重くのしかかるのは、事業者と州の電力計画である。

「止める」より先に広がる、現場の不確実性

内務省の発表によると、停止対象はVineyard Wind 1、Revolution Wind、Coastal Virginia Offshore Wind（商用）、Sunrise Wind、Empire Wind 1の各案件だ。いずれも建設が進む段階にあり、リース停止は許認可の根っこを揺らす。部材調達、作業員配置、港湾の稼働計画まで、前提を置き直す必要が出る。

洋上風力は建設費が大きく、工期の遅れがそのまま金利負担や保険コストに跳ね返る。州側も、再エネ比率の引き上げや送電網の増強計画を、どの電源がいつ入るかに合わせて組んでいる。今回の「一時停止」は、完成時期が読めないという形で、電気料金や供給力の見通しにまで波及しかねない。

安全保障の論点は「レーダーの見え方」だが、説明は途上

内務省は、国防当局が示した安全保障上の懸念を踏まえ、連邦機関と事業者、州とともに「リスク軽減策」を検討する時間を確保するとしている。具体例として挙げたのが、風車の回転翼や反射しやすい塔がレーダー画面に余計な反応を生む「クラッター」だ。つまり、監視網の目が散ることへの警戒である。

一方でAPなどは、これら案件が過去の審査過程で国防面の確認も受けてきたと伝える。さらにReutersは、発表を受けて関連企業の株価が急落するなど、市場が「政策リスク」を織り込み直したと報じた。政権は2025年1月に新規の洋上風力リースを止める大統領文書も出しており、制度設計そのものの見直しが進む。安全保障とエネルギー転換の接点をどう具体化するのか。説明の空白が長引けば、投資と雇用の判断が先に痩せていく。

「止める」より先に広がる、現場の不確実性

安全保障の論点は「レーダーの見え方」だが、説明は途上

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