UAEが対テロ部隊撤収、イエメン南部で同盟調整が焦点

※記事を視覚化したイメージであり、実際の事象とは異なります。

2025.12.31

本サイトの記事や画像はAIが公的資料や報道を整理し制作したものです。[続きを表示]ただし誤りや不確定な情報が含まれることがありますので、参考の一助としてご覧いただき、実際の判断は公的資料や他の報道を直接ご確認ください。[私たちの取り組み]

イエメン内戦への関与を続けてきたアラブ首長国連邦（UAE）は2025年12月30日、現地に残っていた対テロ部隊の任務を終え、要員を撤収すると発表した。サウジアラビアと支援先が食い違う南部で緊張が高まるなか、同盟内の調整がどこまで保つかが焦点になる。

「撤収」は戦場の地図より、連携の手順を揺らす

今回の発表は、サウジ主導連合がイエメン南部ムカラ港を空爆し、UAEに関連する武器搬入があったと主張した直後に出た。これに対しUAEは関与を否定している。報道では、イエメン側がUAEとの防衛協定の見直しや撤収要求、空域や港湾の運用制限を打ち出し、港の出入りや検問の手続きが目に見えて増える局面が想定される。

UAEは2019年に大規模な軍事プレゼンスを縮小した後も、専門要員を「対テロ」任務として残してきた。掃討作戦そのものより、情報共有や現地部隊の訓練、作戦区域の線引きといった裏方の役割が目立つ分野である。撤収が進めば、同じ地域で活動するサウジ側やイエメン政府側の部隊が、誰と何をすり合わせるのかという運用の穴が先に広がりやすい。

対立の芯は「対テロ」と「南部の政治」の絡み合い

UAE外務省は同日、サウジ側の指摘に「事実誤認がある」として、イエメン国内勢力に軍事行動を指示したとの見方を否定し、サウジの安全と主権を尊重すると表明した。一方で、内戦下のイエメンでは、サウジが支える政権側と、UAEが関係を深めてきた南部暫定評議会（STC、南部の分離独立を掲げる勢力）の思惑がずれやすい。前線の指揮系統が二重化すると、空域や港の許可一つでも摩擦が生まれる。

論点は、（1）フーシ派への対処で反対勢力が分裂しないか、（2）過激派対策の空白を誰が埋めるのか、（3）撤収が政治交渉を促すのか、それとも南部の主導権争いを刺激するのか、の三つに整理できる。米国や国連が沈静化を促しているとの報道もある。撤収の時期と手順が透明になるか、サウジとUAEが共同作戦の「作法」を立て直せるかが、港湾運用や支援物資の通り道にも跳ね返る。

「撤収」は戦場の地図より、連携の手順を揺らす

対立の芯は「対テロ」と「南部の政治」の絡み合い

参考・出典