英国政府、外務省関連でサイバー攻撃被害を認める　中国関与断定せず

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2025.12.19

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英国の貿易担当閣外相サー・クリス・ブライアントは2025年12月19日、政府が同年10月にサイバー攻撃を受けていたと認めた。標的は英外務省（外務・英連邦・開発省、FCDO）関連のシステムで、データに不正アクセスがあった可能性がある。一方で、攻撃と中国当局の直接の関係は断定できないとも述べた。

「外務省のデータ」と、揺らぐ利用者の安心

英紙The Sunは、中国と関連が指摘されるハッカー集団「Storm 1849」が侵入し、ビザ関連を含む多数の記録に触れた可能性があると報じた。ブライアントはTimes Radioで、ハッキング自体は事実だとしつつ、報道の細部には推測が混じるとの見方を示した。

政府側は調査を継続しており、現時点では「個人が実害を受けるリスクは低い」との説明に軸足を置く。ブライアントはSky Newsで、1つの拠点にあった技術的な欠陥が入口になったが、問題は早期に塞いだとも語った。情報の“抜かれ方”より先に、利用者の不安が膨らむ構図が透ける。

「中国かどうか」は別問題、外交の温度差を生む

ブライアントが踏み込まなかったのは、中国の工作員や国家との結びつきだ。サイバー攻撃は踏み台や偽装が前提で、発信源の国名をそのまま責任主体に結びつけにくい。だからこそ、断定を避ける発言は慎重さでもあるが、同時に「では誰が守るのか」という別の問いを残す。

Reutersによれば、英国では2025年にJaguar Land RoverやMarks & Spencerなど民間でも大きなサイバー被害が相次いだ。政府は安全保障上の警戒と、貿易を含む対中関係の実務を同時に進める局面にあるとされ、スターマー首相の2026年1月下旬の訪中予定も報じられている。攻撃の“犯人探し”以上に、情報公開のタイミングと防御体制の底上げが信頼を左右しそうだ。

「外務省のデータ」と、揺らぐ利用者の安心

「中国かどうか」は別問題、外交の温度差を生む

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