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ウクライナのゼレンスキー大統領は2025年12月22日、戦争終結に向けた米国と欧州諸国を交えた交渉が「真の結果」に近づいていると述べた。週末にウクライナ代表団は欧州側とともに米国特使と協議し、ロシア側のキリル・ドミトリエフ大統領特別代表もフロリダで米高官と個別に会談した。
交渉の山場は「帰国後」にやってくる
いまの焦点は、会談そのものよりも、帰国後に各国が何を「成果」として持ち帰り、どの文言を次の会合に載せるかに移っている。ウクライナとロシア双方の政府高官は、各チームが22日に帰国し、協議結果を報告すると説明した。ゼレンスキー氏も、交渉団から文書準備の状況を含めて報告を受ける構えだ。
ただし「前進」の度合いをめぐる温度差は残る。ロシア大統領府のペスコフ報道官は、週末の協議を突破口と受け止めるのは早いとの認識を示した。領土や安全の保証といった核心は、結局のところ政治決断が必要な領域で、合意が近いほど譲れない線引きが目立ちやすい。
特使外交が増えるほど、争点も露出する
今回の動きは、米国の仲介の下で「特使」が前面に出る交渉になっている点が特徴だ。特使は、ひとことで言うと首脳の代理として交渉を動かす役割である。フロリダでは、ウクライナ側交渉担当のルステム・ウメロフ氏らが米国のスティーブ・ウィトコフ特使らと協議し、ドミトリエフ氏も別枠で米側と会った。
争点は停戦後の安全の保証や戦後復興の枠組みに加え、対ロ制裁をどこまで維持するかにも及ぶ。ゼレンスキー氏は、圧力を緩めればロシアの戦費を支える余地が残るとして、制裁や原油価格の上限といったカードの重要性をにじませた。AP通信は、草案がウクライナ側の要求の大半を取り込んでいると伝えた一方、戦闘が続く現実が交渉の足元を揺らし続けているとも報じている。
参考・出典
- Офіційне інтернет-представництво Президента України（ウクライナ大統領府公式サイト）
- Ukraine's Zelenskiy says negotiations on war settlement 'close to a real result'（Reuters、2025年12月22日）
- Kremlin says weekend Ukraine peace talks not breakthrough, Izvestia reports（Reuters、2025年12月22日）
- Ukraine-Russia settlement talks advance with US proposals, says Zelenskyy | AP News
- 米ロ高官がフロリダで協議 ウクライナ和平案巡り ロ高官「協議は建設的だ」
