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兵力は消耗するのに戦線はほとんど動かない――。米戦略国際問題研究所(CSIS)が1月27日に公表した分析は、ロシアのウクライナ侵攻で両軍の「死傷・行方不明」を含む軍の被害者数が、累計で約200万人規模に迫っていると示した。第2次世界大戦後の主要国の戦争として異例の損失水準だという。
損失が戦果に結びつかない構図 CSISがロシア軍の「巨大損耗」を推計
CSISは、2022年2月の侵攻開始からのロシア側の人的損失を約120万人(死傷・行方不明)と推計し、戦死者は最大32万5000人に上る可能性があるとした。主要国が関与した戦争として、第2次世界大戦以降で突出した損失だと位置づけている。
一方で戦場での進み方は「非常にゆっくり」だと指摘した。2024年に主導権を握った後も、主要な攻勢での前進は平均で1日15〜70メートル程度にとどまったとし、人的損失と獲得戦果の釣り合いの悪さが浮き彫りになった。
CSISは、戦時の損耗推計は不確実性を伴い、当事国には数値を誇張・過小申告する動機もあると注記した上で、データ全体として「大損耗・小前進」の傾向は動かないとの見方を示している。
ウクライナ側も「防御の代償」 死傷・行方不明の推計が示す長期戦の重み
ウクライナ側も損失は大きい。CSISは2022年2月から2025年12月までの人的損失を50万〜60万人とし、戦死者は10万〜14万人と推計した。両軍の損失合計は最大で180万人に達し、現在のペースが続けば2026年春までに200万人に到達し得ると見込んだ。
損耗の把握をめぐっては推計の幅が残る。AFPBBによると、ゼレンスキー大統領は2025年2月に米テレビで自軍の戦死を約4万6000人と述べたが、専門家は過少との見方を示し、行方不明や捕虜の存在も指摘されてきた。ガーディアンは、国連の監視で2022年以降に確認された民間人の死者が「ほぼ1万5000人」に達する一方、実数はさらに多い可能性があると伝えている。
この戦争が示しているのは、近代戦が「短期決戦」ではなく、社会と経済の耐久力を削り合う消耗戦へ容易に転じる現実だ。損失が積み上がるほど、動員・補給・世論の維持が戦略そのものになる。数字は政治の道具にもなり得るが、逆に言えば、損耗の規模が見えた瞬間に交渉条件、支援設計、戦争終結の現実味が一段と具体化する。戦場の1メートルを巡る代償が、国家の選択肢を狭め続けている。
