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テレビ朝日系ANNは2025年12月19日、日本政府高官が日本の核兵器保有に言及したとされる発言を受け、米国務省の報道担当官が「日本は核不拡散と軍備管理を進めるうえで国際的に主導的で、米国の重要なパートナーだ」との趣旨でコメントしたと伝えた。同盟の抑止と日本の核政策が、同じ場面で改めて問われている。
米国のコメントは「評価」と「釘刺し」を同時に運ぶ
ANNによると担当官は同日、同盟国を守るため米国は強固で近代的な核抑止力を維持するとし、日米同盟がインド太平洋の平和と安定の基盤だとも強調した。核抑止とは、報復能力を示して相手に攻撃を思いとどまらせる発想で、結果として「使わない」ための枠組みでもある。
一方で、米側の言葉が前面に出したのは「日本は不拡散の側に立ってきた」という評価だ。日本が核を増やす側へ踏み込めば、近隣国の反発や不拡散体制への影響は避けにくい。今回のコメントは、評価で関係を支えつつ、核政策の大枠は動かさないよう促す含みを残したとも読める。
官邸発言が突いた弱点は「有事の説明責任」
Reutersなどは、首相官邸で安全保障政策を担う関係者が12月18日、非公式の場で核保有を支持する趣旨の私見を語ったと伝えた。時事通信系のnippon.comによれば木原稔官房長官は19日の会見で、政府として非核三原則を維持する方針を示し、米核を国内に置く「核共有」も法体系上認められないとの立場を述べた。
非核三原則は「持たず、つくらず、持ち込ませず」を掲げる日本の核政策で、外務省も沿革を整理している。議論が次に向かう先は、核保有の是非だけではない。AP通信が伝えてきたように、日本は抑止の現実として米国の核の傘に依存している面がある。政権は、発言の後始末と同時に、有事にどう意思疎通し国民にどう説明するのかという弱点にも向き合う必要がある。
