中国の対日圧力に懸念　米下院が超党派決議提出

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2025.12.23

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台湾情勢を巡る日本政府の発言が日中対立を深めるなか、米下院で2025年12月19日、超党派議員が中国の対日圧力を問題視する決議案を提出した。決議は日米同盟の堅固さを強調しつつ、日本が地域の安全保障について見解を述べる権利も支持している。

米下院の決議案が示す「守る線」と「踏み込まない線」

決議案はH.Res.971で、共和党のYoung Kim議員が提出し、民主党のAmi Bera議員らが名を連ねた。中国が日本に加えた経済的、軍事的な圧力を非難し、日米安全保障条約に基づく同盟への「揺るぎない関与」を改めて確認する構成だ。法案は下院外交委員会に付託された。

発端の1つとされるのは、高市早苗首相が国会で台湾有事に触れ、日本の存立を脅かす事態になり得るとの考えを示した点だ。中国側は撤回を求め、強い言葉で反発を続けている。米議会が日本支持を打ち出す一方、発言の応酬が続けば、当事国の「対話の余地」そのものが痩せていく懸念も残る。

日本側が「威圧的措置」として念頭に置く具体例には、中国側による渡航自粛の呼びかけや、航空・海上での緊張を高める行為が挙げられている。軍事の話に見えても、実際に影響が出るのは企業活動や観光、留学などの生活の領域だ。現場ほど先行きが読めず、コストが積み上がる。

国連を舞台にした応酬も起きており、日本は中国側の主張を「事実と合わない」として反論している。米下院の決議案は、日本にとっては後ろ盾の確認になり得るが、中国に「外圧」と受け取られれば溝は深まる。日本が必要とされるのは、同盟の抑止を保ちながら、摩擦が日常の往来まで焦げ付かない出口を探す粘り強さだ。