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中国不動産開発大手の万科が、期限到来した20億元規模のオンショア債について、事実上の時間稼ぎに踏み込んだ。償還の猶予期間を現行の5営業日から30営業日に延ばす提案を示し、元本は1年延期、利息は12月22日までに6000万元を支払う案を投資家に求めている。
「猶予」を伸ばす提案が示す、資金繰りの時計
対象は12月15日に期限を迎えた20億元の債務で、いまは「支払いが遅れても直ちに債務不履行と見なされにくい」猶予期間の中にある。万科の新提案は、この時計そのものを30営業日へ引き延ばす内容だ。Reutersは、12月18日に新たな債券保有者会議を開き、12月22日に投票する日程だと報じており、合意形成に必要な時間を制度面から確保しようとしている。
「利息を先に払う」条件変更で、投資家の不信を崩せるか
背景には、当初の延期案が投資家の支持を得られなかった経緯がある。Reutersは、前回の協議で元本と利息を1年先送りする案が否決され、必要とされる賛成比率に届かなかったと伝えた。今回、万科は猶予期間内に利息6000万元を支払う提案を前面に出し、「延期の対価」を見える形にした。澎湃新聞(The Paper)など中国メディアも、会議招集側の資料として利息支払いと条件見直しが盛り込まれたと報じている。
国有支援の“安心感”と、残る市場の疑念
万科は中国不動産の中でも相対的に信用力が高いと見られてきたが、支払い条件の再交渉が続けば、投資家が求めるのは「延期」よりも「回収確度」へ傾きやすい。Reutersによると、発表後の株価は本土と香港で方向感が割れた。猶予期間の延長は、破綻回避のための現実的な手当てである一方、国有の後ろ盾があっても資金繰りが自動的に解けるわけではないというメッセージにもなり得る。
参考・出典
- China Vanke offers interest payment as it seeks principal extension for yuan bond due December 15 (Reuters, 2025-12-17)
- China Vanke fails to get bondholder backing for payment extension, sources say (Reuters, 2025-12-13)
- 万科20亿元债券展期公布新方案:拟宽限期内支付利息并提供增信_地产界_澎湃新闻-The Paper
- China Vanke bondholders reject payment extension, raising default risk
- 中国货币网-中国外汇交易中心主办
