首席補佐官ワイルズ氏がトランプ大統領を比喩発言「アルコール依存症のよう」

※記事を視覚化したイメージであり、実際の事象とは異なります。

2025.12.17

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米誌Vanity Fairは2025年12月16日、トランプ大統領の大統領首席補佐官スージー・ワイルズ氏のインタビュー記事を公開した。ワイルズ氏は大統領を「アルコール依存症の人のような性格」とたとえ、復讐心が行動の動機になり得ると語ったとされ、政権の内側をめぐる議論が一気に熱を帯びている。

比喩が浮かび上がらせた、ホワイトハウスの「運転感覚」

記事は、筆者のクリス・ウィップル氏が約1年にわたり計11回のインタビューを重ねたものだという。ワイルズ氏は父親のアルコール依存の経験を引き合いに出し、飲酒をしない大統領の気質を、過剰に増幅しやすい「大きな人格」として説明した。言い回しの強さは、人物評というより、権力の扱いづらさを示す。

ただ、その率直さは政権の弱点にもなり得る。Reutersは、発言が移民政策や関税などをめぐる内部の緊張も映していると報じた。ワイルズ氏はSNSで記事の文脈が欠けていると反発し、トランプ氏も米紙New York Postに対し、比喩は自分の「依存的な傾向」を言い当てたものだと擁護した。

論争の中心は、復讐心が政策判断と結びつく危うさだ。The Guardianは、ワイルズ氏が「就任後90日で“清算”を終える」緩い約束に触れつつ、機会があれば大統領は報復に動く可能性がある趣旨を語ったと伝えた。AP通信も、ワイルズ氏の発言が政権に火消しを迫ったと報じている。

とりわけ、政敵への捜査や訴追に政治の感情が混じれば、法の中立性そのものが揺らぐ。首席補佐官は本来、衝動を止める防波堤にもなるが、本人が「抑える」より「実現する」側に軸足を置くなら、歯止めはどこに残るのか。大統領の「何でもできる」という感覚を、制度がどう受け止めるかが問われている。