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ウクライナで「もし近く大統領選が行われたら」という仮定が、年末の政治の話題に浮上している。12月24日に公表された世論調査では、ゼレンスキー大統領は1回目投票で首位に立つ可能性がある一方、上位2人による決選投票では元軍総司令官のザルジニー駐英大使に大差で敗れる見通しが示された。とはいえ、選挙はロシア侵攻後の戒厳令の下で延期が続き、実施時期は読みにくい。
「首位でも勝てない」決選投票が映す有権者の温度差
調査は、仮に近い将来に大統領選がある場合、1回目投票ではゼレンスキー氏とザルジニー氏が拮抗しつつ上位に残る構図を描く。そのうえで決選投票になると、ザルジニー氏が約64%、ゼレンスキー氏が約36%と、勝敗が大きく傾くという。戦時下で「誰に国を託すか」を一度で決めきれず、最後は別の選択肢へ雪崩を打つ。そんな空気が数字として表れた形だ。
見落とせないのは、態度未定層が2割超と厚い点である。街の暮らしでは停電や空襲警報が日常に入り込み、政治の優先順位が「理想の候補探し」より「明日を回すこと」に寄りやすい。調査は、候補者の組み合わせで結果が動く可能性も示し、ザルジニー氏が出ない想定ではブダノウ国防省情報総局長が決選投票で勝つシナリオも提示された。数字は固定的な民意というより、揺れている空気の断面に近い。
選挙を阻むのは「人気」よりも戒厳令と現場の段取り
大統領選は本来、2024年に実施されるはずだったが、2022年2月24日の全面侵攻開始に伴う戒厳令で延期された。ウクライナ側は、戒厳令下での選挙は法制度上の制約が大きいという立場を繰り返してきた。ゼレンスキー氏も、戦闘が続く状況での全国投票は難しいとの考えを示し、終戦や戒厳令解除後に選挙を行う方針を基本線として語っている。
仮に政治が「やる」と決めても、実務の壁は高い。占領地域や前線近くでの投票所の安全確保、国外避難者や国内避難者をどう参加させるか、候補者や選管の移動をどう守るか。選挙はイベントではなく物流であり、投票用紙や通信、警備、人員の積み上げが要る。今回の世論調査は、権力の行方を断定する材料というより、戦時統治の正当性と社会の納得をどう繋ぎ直すかという宿題を、改めて突きつけたと言える。
参考・出典
- Ukraine election poll shows tight first round, decisive Zaluzhnyi runoff win over Zelensky
- Poll shows Zelenskyy and Zaluzhnyi would go neck and neck in first round of potential election | Ukrainska Pravda
- 大統領選実施でゼレンスキー氏敗北か ウクライナで世論調査 現駐英大使制する見通し
- Ukraine Presidential Election Polls Show Zelensky and Zaluzhny Leading | Ukraine news – #Mezha
