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2025年度補正予算が12月16日、参院本会議で可決され成立した。一般会計の歳出は18兆3034億円で、物価高対策を軸に電気・ガス代支援や子ども1人当たり2万円の給付などを盛り込む。第219臨時国会は延長せず12月17日に閉会する。
物価高対策は「決めた」から「届く」へ
補正の中心は、家計の痛みを和らげる即効薬だ。電気・ガス料金の補助に加え、自治体が使い道を決めやすい重点支援地方交付金を2兆円積み増した。地域の事情で、商品券や食料品支援など形は変わり得る。
ただ、成立しただけで値札が下がるわけではない。給付や減税は制度設計と事務が要り、現場に届く時期が遅れれば、実感は薄れる。首相は事業執行に注力する構えで、スピードと対象の絞り方が政策評価を左右する。
賛成の組み合わせが映す、国会の次の焦点
今回の採決は、自民党と日本維新の会の与党に、国民民主党や公明党が賛成して成立へ押し上げた。少数与党の国会では、期限がある補正ほど合意形成が急ぎ足になり、賛否の線引きが次の政策交渉にも影響する。立憲民主党は反対した。
会期は参議院の公表で10月21日から12月17日までの58日間で、延長は見送られた。企業・団体献金の規制や議員定数削減など、政治改革の宿題は次の通常国会へ先送りとなる。政府は当面、補正の執行を優先し、年内の衆院解散は見送られる公算が大きい。
