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ニューヨークの取引所に電光掲示が瞬き、静かに一日を締めくくった時間帯。AI関連の思惑が市場全体を押し上げ、S&P500とナスダック総合が終値で史上最高値を更新した。一方で政府機関閉鎖は6日目に入り、経済指標の空白が投資家の視線を揺らしている。熱と不安が同居する中、AMDの急騰が象徴するように、次の主役は半導体とみられる。
AIの波が主役を奪った
2025年10月7日、米株市場はAI関連の取引が勢いを作り、S&P500が0.36%高の6740.28、ナスダック総合が0.71%高の2万2941.67で引けた。どちらも終値での最高値更新である。対照的にダウ工業株30種は0.14%安の4万6694.97と小幅反落し、AIの熱気が指数間の明暗を分けた構図が浮かぶ。
半導体ではアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が23.7%急騰し、フィラデルフィア半導体指数(SOX)も2.9%上昇した。AMDが対話型AIを手がけるOpenAIにAI半導体を供給する複数年契約を結んだと伝わり、需給と収益機会の両面で期待が広がった。市場の主役がどこかを示す一日だったと映る。
周辺では暗号資産ビットコインが前日に初めて12万5000ドルを突破し、コインベースやマイクロストラテジーなど関連株が買われた。テスラは7日に予告したイベントへの思惑から5%超上昇し、消費関連とハイテクの一角にも資金が波及した。AIとデジタル資産の相乗効果が投資家心理を刺激している。
政府閉鎖と利下げ観測、空白の中で
政府機関の閉鎖は6日目に入り、主要な経済指標の公表が延期されている。現時点で確認されている範囲では、投資家は雇用や消費の強弱を測るうえで政府以外の二次的データに頼らざるを得ない状況だ。情報の空白が不安を呼ぶ一方で、相対的に見えやすい企業ニュースが値動きの軸になるという逆説が広がっている。
金利面では、今月のFOMCで25ベーシスポイントの利下げが実施される確率を市場は94.6%まで織り込んだ。インフレの粘着性を警戒する声と、労働市場のたるみに注目する見方がせめぎ合うなか、材料難の相場は「いつ」「どの程度」緩和が進むかに敏感だ。だが、この空白は誰に有利なのか。AIという成長物語を持つ企業に相対的な追い風が吹いているように映る。
個別材料が描く強弱の地図
この日の主役はAMDである。同社はOpenAIに対し、複数年にわたりAI半導体を供給する大型契約を発表した。契約にはOpenAIが最大10%相当のAMD株式を取得し得るワラントが含まれるとされ、2026年後半に1GW相当のMI450シリーズから展開を始め、最終的に6GW規模の計算資源を視野に入れる。供給と資本の連動が加速する構図が鮮明になったといえる。
一方で消費関連には陰りもあった。スターバックスはTDコーウェンが労働市場の減速がZ世代の消費に響くと指摘し目標株価を引き下げたことで5%安と軟調だった。通信大手ベライゾンは元ペイパルCEOのダン・シュルマン氏を新CEOに起用すると発表し5.1%下落。経営トップ人事のサプライズは必ずしも株価の追い風にならないことを示した格好だ。
銀行ではコメリカが13.7%急伸。フィフス・サードが109億ドルの全株式交換で買収すると表明し、地域金融の再編観測が現実味を帯びた。市場全体ではNYSEで値上がりが1.05対1で優勢、ナスダックでも1.26対1で買いが勝った。合算出来高は196億9000万株と、直近20営業日平均の191億7000万株を上回り、AI主導の物語に出来高の裏づけが伴った一日だったとみられる。