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ミャンマー軍事政権が主導した総選挙の扱いが、ASEANの結束と影響力を測る試金石になっている。ASEANは1月29日、フィリピン中部セブ島で非公式外相会議(リトリート)2日目を開き、議長国フィリピンのマリア・テレサ・ラザロ外相は閉幕後の会見で、軍政下で実施された総選挙をASEANとして「承認しない」と述べた。内戦状態が続く中での選挙に、地域枠組みとして一線を引いた形だ。
選挙の「正統性」に線を引く 議長国フィリピンが不承認を表明
会議は加盟国の外相が非公式に意見を交わす場で、ミャンマー情勢は主要議題の一つとなった。ラザロ外相は会見で、軍事政権が実施した総選挙をASEANとして承認しないと明言し、軍政側が「選挙」を通じて統治の既成事実化を進める動きに距離を置いた。
ミャンマーではクーデター後、民主派や少数民族武装勢力との戦闘が長期化し、政治対話の見通しが立たない。ASEANは暴力停止や対話開始などを柱とする「五つの合意事項」を掲げてきたが、履行は進まず、選挙結果を地域として追認することは、対応の軸そのものを揺るがしかねない。
また、選挙の公正性を担保する仕組みが乏しいまま進むなら、国際的な承認を得にくい。ASEANが「承認しない」と表明したことは、加盟国の対ミャンマー関与を続けつつも、正統性の付与だけは切り離すという判断に近い。
足並みの乱れを抑えつつ関与を継続 監視団見送りと特使外交の重み
一方で、ミャンマー軍政は周辺国との外交ルートを通じ、選挙への一定の理解を取り付けたい思惑がある。過去には、軍政側が「ASEANが選挙準備を歓迎した」といった趣旨の発信を行い、関係国が否定に追われた経緯もある。こうした情報戦の中では、ASEAN側のメッセージ管理も重要になる。
議長国には、軍政を全面的に排除して圧力一辺倒にするのではなく、人道支援や対話の糸口を確保する役割も求められる。承認の可否を明確にしつつ、特使派遣などの実務外交で何を引き出せるかが、今後の焦点となる。
ASEANは「内政不干渉」を重視してきたが、ミャンマー情勢は域内の難民・治安・越境犯罪にも直結し、放置が最も高コストになり得る案件だ。選挙不承認は、軍政に正統性を与えないという最低限の歯止めであり、同時に加盟国の立場差をこれ以上広げないための共通線でもある。次に問われるのは、線引きをした上で何を交換条件にし、暴力停止と対話に向けた具体の行動をどこまで積み上げられるかだ。そこで成果が出なければ、ASEANの危機対応能力そのものへの疑念が残る。
