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ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は2025年12月18日、ロシアの核搭載も可能とされる新型の極超音速ミサイル「オレシュニク」が国内に配備され、戦闘任務に就く段階に入ったと述べた。ロシアが軍事的な後背地として同国を使う構図が、また一段はっきりした形だ。
「配備」は前線の外側で起きる、標的化という現実
ルカシェンコ氏は、オレシュニクが「きのうから」国内にあり、最初の配備地点も準備済みだと説明した。極超音速は音速の5倍を超える速度域を指し、迎撃の難しさが強調されやすい。中距離弾道ミサイルに分類されるとされ、配備は「撃たれるかもしれない場所」が国境の向こうから国内へ近づくことも意味する。
ベラルーシは2023年にも、ロシアが戦術核兵器を同国に置いたとされる経緯がある。今回の発表は、抑止の言葉が先行してきた局面から、「どこに置かれ、どう運用されるか」という現場の負担へ論点を移す。日常生活からは見えにくいが、基地周辺の警備強化や訓練、情報統制が濃くなれば、社会の息苦しさとして跳ね返り得る。
同盟の強化か、外交の余地を削る選択か
ルカシェンコ氏は「戦争を防ぐための措置だ」との立場を示し、情勢が悪化すればロシア西部から大規模部隊が素早く動けるとも述べた。だが、抑止は相手に届くほど強いほど、誤認や偶発を招くリスクも増える。軍事の論理で関係が固まるほど、ベラルーシ自身が危機の当事者として前面に押し出されやすい。
ロシア側も、オレシュニクを12月に戦闘態勢へ移す考えを示してきたと報じられている。配備が既成事実になれば、周辺国や欧州の安全保障議論は一層硬直し、制裁や警戒の連鎖も起こりやすい。ベラルーシに残る選択肢は、抑止を掲げつつも「管理できる範囲」をどこまで明確にできるか、という地味だが重い課題に絞られていく。
参考・出典
- Belarus has deployed Russia's Oreshnik missile, Lukashenko says (Reuters, 2025-12-18)
- Belarusian leader says Russia deployed its latest nuclear-capable missile to the country | AP News
- ベラルーシ、核搭載可能ミサイル「オレシュニク」を配備 写真1枚 国際ニュース：AFPBB News
- ベラルーシがロシアのミサイルシステム「オレシュニク」を国内に実戦配備、ルカシェンコ大統領は「戦争を防ぐための措置」主張 ｜FNNプライムオンライン
- Russia’s Oreshnik hypersonic ballistic missile systems to be deployed in Belarus – Russian Politics & Diplomacy – TASS
