カンボジア発の「ブラックリスト搭乗客」約6倍に増加、出入国・麻薬対策の綻びを露呈

カンボジア発便で急増 ソウル空港が直面する“危うい入国線”

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ソウル郊外の空港で、到着便から降りた乗客の列がじわりと滞る。関税検査場の奥で赤いランプが点るたび、係員が静かに動く。カンボジア発の便に乗っていた「ブラックリスト搭乗客」が、この5年で約6倍に増えたことがわかった。国会提出資料で判明し、韓国の出入国と麻薬対策の綻びを映す動きと映る。

膨らむリスク、数字が語る現実

国会企画財政委員会の鄭日永議員が2025年10月19日に明らかにした関税庁資料によれば、カンボジアから入国した乗客のうち、関税庁の要注意人物リストに該当した人数は2020年334人、2021年168人、2022年466人、2023年990人と増加を続け、2024年は1993人で過去最多となった。2025年は10月12日時点ですでに1205人に達しているとされる。

関税庁が「ブラックリスト」と呼ぶのは、関税事犯や麻薬事犯、指名手配者、さらに内部基準で犯罪の可能性が高いと判断された人物を含む。空港では到着直後の行動が微妙に変わる。入国審査後の動線で係員が合図を受け、対象者を静かに分離して集中検査へ誘導する。水際の緊張が、数字の増勢とともに濃くなっているとみられる。

仕組みは動くが、抜け落ちる連携

韓国の空港では、航空会社が出国地で確認した旅客情報を「乗客情報事前分析システム(APIS)」に送信し、関税庁の情報分析チームが到着前にハイリスクを選別する。システムで該当が出れば、到着後に手荷物や所持品を重点的に検査する流れだ。仕組み自体は整っており、到着ロビーの現場でも運用は習熟している様子がうかがえる。

一方、麻薬類の流入は東南アジアの複数路線に広がる。関税庁の統計(2025年8月時点)では、カンボジア発の密輸量は11.7キログラムで、タイの92.9キログラム、ベトナムの23.3キログラム、ラオスの22.6キログラム、マレーシアの19.1キログラムに続く位置づけだったという。単純な重量の序列だけで全体像は語れないが、路線網の多様化がにじむ数字だ。

二国間の細い糸、多国間の厚い壁

問題の核心は国境管理の連携にある。韓国の関税当局はタイなどとは二国間での協力体制を築いてきたが、カンボジアとはアジア太平洋地域18カ国の枠組みによる多国間協力にとどまる。関税庁関係者は、二国間であれば相手国が出国前にブラックリスト該当者や貨物を検査できるが、多国間では情報交換止まりになる場合が多いと説明している。相手も多く利害も交錯するため、合意形成に時間がかかるのが弱点だといえる。

危険人物の往来が太くなるほど、現場は事後対応の負荷を背負う。鄭議員は出入国の保安強化を急務とし、関税当局間の二国間協力の構築を求めた。現時点で確認されている範囲では、システム面の選別と到着後の検査で一定の成果は出ているが、出国側での事前措置がなければ、空路のボトルネックは解消しにくい。空港の赤いランプが点る回数を減らすのは、紙の合意ではなく、国境の手前で実装される協力そのものだと映る。

参考・出典

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