ボーイング、イスラエル空軍向けF15IA 新造25機で最大86億ドル契約獲得

ボーイングが大型契約、イスラエル向けF15改良型86億ドル

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米航空機大手ボーイングは、イスラエル空軍向けのF15改良型「F15IA」に関するプログラムで、最大86億ドル規模の契約を獲得した。米国防総省が29日(米時間)、トランプ大統領とイスラエルのネタニヤフ首相の会談後に公表した。契約は新造25機の設計から納入までを含み、追加25機のオプションも付く。

「25機+オプション」の意味、納入までの長い工程

国防総省の説明では、契約の範囲は設計、統合、計測、試験、生産、納入まで幅広い。機体を作るだけでなく、運用国の装備や通信、訓練体系に合わせる作業が入るため、機数の話がそのまま即時の戦力増強を意味するとは限らない。作業はボーイングの拠点がある米ミズーリ州セントルイスで行い、完了予定は2035年末とされる。

追加分が「オプション」として残る点も、読みどころだ。いま確定した25機に加え、将来の追加調達の余地を同じ枠組みで確保しておく形で、空軍側は中長期の部隊計画を引きやすくなる。一方、実際に追加分を発注するかは、予算や安全保障環境の変化、調達の優先順位に左右される。なお米国防総省は日々の契約公表(Contracts)で調達案件を一覧化しており、今回もその運用の中で契約内容が示された。

会談直後の公表、軍事支援をめぐる米国内の温度差

発表のタイミングも政治日程と重なる。米国メディアの報道では、トランプ氏とネタニヤフ氏はフロリダ州で会談しており、その直後に国防総省が契約を公表した。装備調達は長期事業だが、首脳会談の流れで「同盟国の能力をどう支えるか」を具体の案件で示す効果も持つ。対外有償軍事販売(FMS)は、米政府が窓口となって同盟国の装備取得を仲介する枠組みとして知られる。

ただ、米国内ではイスラエルへの軍事支援の継続に批判や抗議もあると報じられている。ここで整理しておきたい論点は、①契約が10年単位で進むため、政権交代や議会の意思が途中で影響し得ること、②オプション分の発注が「将来の選択」として残ること、の2点だ。契約額の大きさが注目を集める一方、実際の納入時期と追加発注の判断が、今後の焦点として残る。

参考・出典

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