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米国のスコット・ベッセント財務長官は30日、中国が短編動画アプリTikTokの譲渡協定を承認したと明らかにした。数週間から数カ月で合意が前進するとの見通しを示し、詳細は差し控えた。中国商務省も関連問題には適切に対処するとしており、米中の政治・通商交渉の一環として最終局面に入ったとの見方が広がっている。
発言の骨子と中国側の姿勢
ベッセント氏はテレビインタビューで、クアラルンプール滞在中に中国側の承認取り付けに関し合意をまとめたと説明し、今後数週間から数カ月で進展すると述べたとされる。26日放送の別番組でも、合意の最終化が近いとの趣旨を語っており、米政権内で交渉の山場を迎えていることを示唆している。
一方、中国商務省は9月に「協力的な方法でTikTok関連問題を適切に解決する基本枠組みに合意した」との立場を公表し、企業の意向を尊重しつつ中国の法令に合致する解決策を支持する姿勢を示してきた。現時点で確認されている範囲では、米中双方とも強い政治的メッセージを発しており、交渉の技術的論点は詰めの段階にあるとみられる。
今後の手続きと米中首脳会談の位置づけ
合意の最終化は首脳外交とも連動する。30日にはトランプ米大統領と中国の習近平国家主席が韓国・釜山で会談しており、協議全体の節目となった。米側は2024年春に成立した新法で、親会社ByteDanceによる米国内事業の切り離しを求め、未履行の場合は米国内での利用禁止も辞さない枠組みを定めてきた。
こうした法的な環境を踏まえ、一部報道によれば、新たな体制は米国内に拠点を置く合弁かそれに準じる構造で、米投資家が過半を保有し、ByteDanceの持分は2割未満に抑える案が有力とされる。米テック企業による関与も取り沙汰されるが、詳細は公表されていない。ベッセント氏は時間軸を「数週間〜数カ月」と描写しており、規制当局の審査、ガバナンス設計、データ管理やアルゴリズムの扱いなど多層の実務課題を順次クリアしながら、段階的に着地を探る展開が続くとみられる。
