中国・傅聡国連大使 グテレス事務総長宛てに書簡 高市首相答弁の撤回要求

中国が日本の国会答弁に再反発 傅聡大使が高市首相発言の撤回を国連に要請

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中国の傅聡・国連大使が12月1日、日本の高市早苗首相による台湾有事を巡る国会答弁の撤回を求め、国連のグテレス事務総長宛てに2度目の書簡を送った。書簡は、日本が中国を根拠なく非難していると反発し、高市政権が非核三原則の見直しを検討していることなどを挙げ、日本が再軍備を進めていると警戒を促している。 国連本部には、11月下旬以降、この問題に関する日中双方の文書が立て続けに提出されており、台湾をめぐる応酬が、地域の安全保障と日本の防衛議論を揺さぶる局面に入ったことをうかがわせる。

往復書簡が映す、市民生活と外交の緊張

今回の対立の発火点となったのは、高市首相が11月の国会で、中国による台湾侵攻が「武力の行使を伴う場合には、集団的自衛権行使が可能となる存立危機事態に該当し得る」との認識を示した答弁だ。 日本政府は従来の立場を変えるものではないと説明するが、中国側は戦後日本の首相として初めて、台湾問題への武力関与を示唆した発言だとして強く反発している。

中国は11月21日にまず国連に書簡を送り、高市発言が国連憲章や戦後の国際秩序に反すると主張した。 これに対し日本側は24日、国連大使名で専守防衛が日本防衛政策の基本だと強調し、「武力攻撃がない段階で自衛権を行使するかのような中国の主張は誤りだ」と反論している。 国連を舞台にした文書の応酬は、両国が互いの主張を国際社会全体に印象づけようとする情報戦の様相も帯びてきた。

外交上の緊張は、市民レベルにも波紋を広げている。中国政府は、日本大使の呼び出しや在外公館を通じた抗議に加え、自国民に対して日本訪問や留学に慎重な判断を求めるなどの措置をとった。 一方、日本側では、中国からの観光客減少や文化交流イベントの中止が報じられ、企業や地方自治体はコロナ禍後に回復してきた対中ビジネスが再び冷え込むのではないかと不安を抱く。外交文書の一文が、現場の雇用や地域経済にまで影を落とし始めている。

専守防衛と非核三原則、揺らぐ「戦後モデル」

傅大使の2度目の書簡が、日本の「再軍備」を強く印象づけようとしている点も見逃せない。文書では、高市政権が非核三原則の見直しを検討していると指摘し、戦後日本が掲げてきた安全保障の自己制約が後退していると訴えている。 これに対し日本政府は、憲法と専守防衛の枠内で必要な抑止力を整えるものだと説明するが、周辺国からは、ミサイル防衛能力の拡充など具体的な装備増強と結びつけて受け止められている。

実際、防衛省は台湾に近い与那国島など南西諸島への部隊配備を進めており、最近も地対艦ミサイル部隊の新設計画が明らかになった。 日本側は、自国領土への武力攻撃を抑止する「穴の空いた防衛線」を埋めるためだと説明するが、中国から見ると、台湾有事の際に日本が実戦に加わるインフラ整備と映る。法律上は専守防衛を維持していても、装備と運用の実態が周辺国の警戒を呼べば、結果として地域の緊張を高めかねない。

今回の往復書簡は、2015年の安全保障関連法で導入された「存立危機事態」という概念が、近隣諸国にどう受け止められているかも可視化した。日本国内では、同盟国を守るための最低限の枠組みと説明されてきたが、中国側は、台湾問題への軍事介入の宣言だと読み替えている。 高市政権が今後、防衛力整備と憲法解釈の運用を進めるたびに、このギャップが再び外交摩擦として噴き出す可能性がある。

米国と台湾を巻き込む、東アジアの力学

中国国内では、共産党機関紙「人民日報」が社説で、米国に対し「日本を縛り、軍国主義復活の動きを許すべきでない」と呼びかけるなど、対日批判と対米牽制を結びつける論調が目立つ。 他方で米国は、日本の首相と中国の国家主席それぞれと電話協議を行い、露骨な対立拡大を避けつつ、同盟国防衛の姿勢も崩さないという難しいバランスを取ろうとしている。

台湾側の見方も一枚岩ではないが、日本の関与を歓迎する声があるのも事実だ。台湾の政党「台聯党」は、高市首相の答弁が台湾防衛への連帯を示したとして、感謝の書簡を送ったと明らかにした。 中国の強い反発と対照的に、台湾の一部には、日本の姿勢が抑止力となり得るとの期待がにじむ。日本の国会での一答弁が、北京と台北の双方で政治的に利用されている構図だ。

こうした中で日本に突きつけられているのは、抑止力を高めることで得られる安全と、対中関係の悪化や経済的な損失というコストを、誰がどこまで負担するのかという問いである。防衛力の強化や法制度の運用を進めるにしても、その意味合いを近隣諸国と共有し、緊張を管理する外交努力を欠けば、専守防衛や非核三原則が掲げてきた「戦後の約束」はかえって空洞化しかねない。

参考・出典

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