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トランプ米政権が台湾情勢を重視した新たな「国家安全保障戦略(NSS)」を公表したことを受け、中国外務省は8日、主権と安全を断固守ると強調し、台湾問題を含む「内政」に外部勢力が干渉すべきではないと警告した。米国が同盟国と連携して台湾防衛力の強化を掲げるなか、中国は改めて一線を示した形だ。
台湾と主権を結びつける中国のメッセージ
8日の記者会見で中国外務省の報道官は、台湾は中国の一部であり主権と領土的一体性に関わる核心的利益だと述べ、外部勢力がいかなる形でも干渉してはならないとの立場を改めて示した。新NSSが「台湾を巡る紛争の抑止」を優先事項に据えたことに対する、正面からの牽制と言える。
中国政府は一貫して「一つの中国」原則の下で台湾統一を目指す姿勢を掲げており、軍事演習や経済措置もその延長線上に位置付けている。今回の発言は、米国や日本などが台湾防衛協力を強める動きを、主権侵害として国際社会に印象付ける狙いも含むとみられる。
一方で中国は、NSSそのものに対する全面的な非難は避け、協力の余地も強調する傾向にある。表向きは対決的な言葉を選びながらも、米政権との関係悪化が経済や技術分野に及ぶことへの警戒が、主権をめぐる強硬なレトリックと同時に存在している。
変化したNSSと、変わらない米中の警戒感
ホワイトハウスが公表した新NSSは、インド太平洋を「主要な経済的・地政学的戦場」と位置付け、台湾を巡る紛争の抑止を優先課題としたうえで、日本や韓国に防衛費増額など一層の負担を求めている。米国が同盟ネットワークを軸に中国を牽制する姿勢を鮮明にした文書だ。
もっとも、中国への言及は第1次政権期のNSSより抑制的で、かつてのように「修正主義国家」と名指しする表現は影を潜めたとされる。それでも中国側は、米国が台湾を含む自国の権益を制約しようとしているとの見方を強めており、「冷戦思考」をやめるべきだと主張した2017年の反応と響き合う部分がある。
日本を含む同盟国にとって、米国の安全保障文書と中国の言葉の応酬は、地域秩序の行方を左右する「シグナル」として重みを増している。台湾を巡る誤算を避けるため、両国がどこまで互いのレッドラインを読み取り、軍事だけでなく外交の回路を維持できるかが問われている。
