フィンランド議員の「侮辱的な投稿」に批判拡大　政府が日中韓に公式謝罪

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2025.12.18

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フィンランドで、ミス・フィンランドに選ばれた女性の「目を細める」ポーズをきっかけに、連立与党の議員が同様の写真をSNSへ投稿し批判が広がった。ペッテリ・オルポ首相は2025年12月17日、日本、中国、韓国に向け「侮辱的な投稿」について謝罪し、各地のフィンランド大使館がそれぞれの言語で声明を発信した。

外交の場で火消しを急いだ首相声明

問題視されたのは、アジア人差別のジェスチャーと受け止められてきたポーズだ。発端となったミス・フィンランドの投稿は、本人の謝罪後も波紋が残り、さらに連立に加わる右派ポピュリスト政党「フィンズ党」の議員らが、支援の意図を示しつつ同種の画像を拡散して炎上を増幅させた。

オルポ氏は、こうした投稿はフィンランドの平等や包摂の価値観に反するとして、差別は社会に居場所がないという立場を強調した。国内向けの釈明にとどめず、在外公館のSNSを通じて東アジアへ直接届けた点に、観光やビジネスを含む対外関係への傷を早期に抑えたい政権の焦りもにじむ。

連立のひずみと、企業・交流の現場に及ぶ影響

政治面では、同じ連立内でも温度差が露呈した。報道では、投稿した議員の一部は謝罪した一方、謝罪の必要はないとする姿勢も伝えられている。フィンズ党は党内で対応を協議する見通しとされ、表現の「冗談」扱いで収束させるのか、差別への線引きを明確にするのかが、連立運営の試金石になりつつある。

波紋は政界だけではない。フィンランドの公共放送Yleは、日本との共同プロジェクトが保留になった例や、航空会社Finnairのブランドが影響を受けたとの指摘を伝えた。国のイメージは、統計や政策よりもSNSの1枚で揺れる時代だ。謝罪で火は弱まっても、「誰がどんな責任で歯止めをかけるのか」という問いは、連立の内側に残り続ける。

外交の場で火消しを急いだ首相声明

連立のひずみと、企業・交流の現場に及ぶ影響

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