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大根を積んだコンテナが次々とトラックへ運ばれ、その列の中で外国人の作業員たちが声を掛け合う。北海道の農業現場や九州の工場、沖縄のホテルロビーなど、日本各地の働く現場で、10年前には少なかった姿が当たり前の光景になりつつある。現場を支える人の出身地は、いまやアジアや南米など世界中へと広がっている。統計からも、そんな変化が数字としてくっきりと浮かび上がってきた。
熊本が伸び率トップ 10道県で外国人住民が急増
総務省の住民基本台帳を基に共同通信が集計したところ、2015年と2025年1月1日時点を比べると、全国の外国人住民はおよそ1.78倍に増えていた。とりわけ伸びが大きかったのは10の道県で、10年前の水準を2倍以上上回るまで膨らんだ。上位には北海道と九州・沖縄の県が並び、これまで都市部ほど存在感が大きくなかった地域で、急速に比率が高まっていることが分かる。人口規模がそれほど大きくない県ほど、変化の割合が際立つかたちだ。
増加率の首位となった熊本県では、外国人住民が2015年の9,896人から2025年には2万8,883人へとほぼ3倍近くに達した。半導体関連工場の進出などで製造業の集積が進み、人材確保の柱として海外からの人材に頼る場面が増えているとみられる。続く北海道や鹿児島、沖縄、宮崎でも、農業や観光の現場で担い手が不足し、地域経済を支える存在として定着しつつある。かつては短期の労働力と見られがちだった人々が、今は「地域に暮らす住民」としてカウントされるようになっている。
人口減少下の地方を支える「新しい住民」たち
その一方で、日本人の人口は別の方向へ向かっている。総務省が公表した2025年1月1日時点の住民基本台帳では、日本人住民は約1億2,065万人と前年から約90万人減り、16年連続の減少となった。外国人住民は約367万7,000人で過去最多を更新し、総人口のほぼ3%に達する。東京以外の多くの地域で日本人が減る中、外国人がわずかに減少速度を和らげている。少子高齢化が進む日本全体のトレンドの中で、この対照的な動きが目立つ。
地方のまちに目を向けると、その数字が日常の風景として現れ始めている。高齢者中心だった商店街に外国人家族の姿が混ざり、農場や介護施設、観光地のホテルでは多国籍のスタッフが肩を並べる。自治体は日本語教室や多言語の相談窓口、防災情報の翻訳などを進め、受け入れ体制を整えつつある。10年前には珍しかった顔ぶれが、今は静かに地域の一員として溶け込みつつある。
