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与野党のガソリン税「旧暫定税率」を巡る見直しが最終局面を迎えている。一部報道によれば、与野党６党の実務者は年内、すなわち１２月３１日の廃止で一致したとされる。木原稔官房長官は３１日午後の記者会見で、各党が党内手続きを進め、その結果を踏まえて政府が適切に対応する考えを示したと伝えられている。現時点で確認されている範囲では、制度の出口設計と安定財源の確保が焦点となっている。
背景とこれまでの経緯
旧暫定税率は、長年にわたり１リットル当たり約２５円分が上乗せされてきたとされる。昨年末には自民・公明・国民民主の３党協議で「旧暫定税率は廃止する」との政治合意が明記され、政府の税制改正プロセスでも議論が継続してきた。財務省の解説でも、与党税調や３党協議を通じて暫定措置の扱いを整理してきた経緯が記されている。こうした流れの中で、今秋にかけても協議は断続的に行われ、与野党の枠組みを広げて着地点を探る動きが強まっていたとみられる。
一方、価格面の“谷”を避ける目的で、補助の段階的な積み増し案が報じられてきた。例えば１０月下旬の報道では、１１月１３日から２週間ごとに補助を５円ずつ増やし、１２月１１日時点で店頭価格を１５円程度下げる案が示された。年末の廃止をにらみつつ、急激な変動を抑える緩衝策を先行させる狙いであると受け止められている。
影響と今後の焦点
旧暫定税率の廃止が実現すれば、給油所の店頭価格には下押し圧力がかかる一方、国・地方の税収にはマイナスの影響が及ぶ。木原官房長官が触れた「安定財源」の確保は不可欠で、どの歳入を充てるか、あるいは別の課税の在り方で補うのかは最大の論点である。価格の平準化や地域間の価格差、需要増に伴う環境負荷の懸念など、複数の政策目的のバランスも問われる。政府内では、家計負担の緩和と財政中立性、温室効果ガス排出削減目標との整合性を同時に満たす設計が求められているとみられる。
さらに、補助の積み増しをいつまで継続するか、廃止の実施時期と補助の出口をどう揃えるかも実務的課題である。年度内の税制改正項目との整合、関連法令・告示の改廃手順、石油流通の在庫・精算サイクルへの配慮など、現場のオペレーションに即したスケジュール管理が不可欠となる。結論如何にかかわらず、価格表示や請求実務の切り替えに混乱が生じないよう、早期の周知と詳細設計が求められている。
手続きと見通し
３１日の実務者協議では、正式合意に向けて各党が持ち帰り、党内手続きを進める段取りが共有されたとされる。仮に年内廃止を前提に歩調を合わせる場合でも、関連法令の所要手続きを含め、運用開始日と適用範囲、経過措置の具体化が必要である。政府は「結果を踏まえて適切に対応」との立場で、与野党の合意形成の進捗を見極めつつ、価格安定策や安定財源の設計を詰める局面に入っている。現時点で確認されている範囲では、最終局面の政治判断と実務設計の両輪が揃うかが成否を左右するとみられる。
