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国の主力ロケットH3の8号機は2025年12月22日、準天頂衛星「みちびき5号機」を載せて種子島宇宙センターから打ち上がったが、予定の軌道に乗せられなかった。25日、小野田紀美・宇宙政策担当相は衛星は失われた可能性が高いと説明し、JAXAも2段機体は大気圏に再突入したとの見方を示した。地上など第三者の被害は確認されていない。
「みちびき」が増えない影響、困るのは誰か
みちびきは、準天頂衛星システム(QZSS)としてGPSを補う測位衛星だ。日本付近の空に長く見える軌道を生かし、ビル街や山あいでも位置情報を安定させる役割を担う。5号機の喪失は、精度や冗長性を高める計画が一つ止まることを意味する。スマートフォンの地図が少し迷うというより、制度や産業が前提にしてきた「増強」が遅れる痛みが大きい。
ただし、日常の測位サービスが直ちに使えなくなる類の話ではない。QZSSはすでに複数機で運用され、利用者の端末側もGPSなど他の衛星測位と組み合わせて位置を求めている。変化が表に出やすいのは、測位誤差を小さくしたい物流や建設、ドローン運航など「数メートルの違いが手間になる」現場だ。計画の遅れは、現場の投資判断を慎重にさせる要因にもなる。
H3に残る宿題、原因究明と次の打ち上げの重み
今回の失敗は、打ち上げそのものが崩れたというより、上段のエンジンに異常が起き、衛星を所定の軌道へ運ぶ「最後の区間」でつまずいた格好だ。JAXAは打ち上げ直前に別の設備異常で中止した経緯も踏まえ、データを精査している。25日時点で2段機体は再突入したとみられ、被害は確認されていないが、種子島で見上げた人々の「宇宙へ届いたはず」の手応えだけが宙に残った。
H3はH2Aの後継として、コスト競争力と安定運用を両立させる旗艦に位置付けられる。2023年の初号機失敗を乗り越え成功を重ねてきたが、2度目の失敗になれば、信頼の積み上げは一度止まる。日本では打ち上げ失敗後、調査に時間をかけるのが通例で、今後の打ち上げ予定は見直しが避けにくい。急ぐほど不安が増える一方、止めすぎれば衛星整備も遅れる。どこまで透明に説明し、再発防止を具体化できるかが次の焦点だ。
参考・出典
- JAXA | H3ロケット8号機による「みちびき5号機」の打上げ時刻及び打上げ時間帯[再設定(その2)]
- Japanese H3 rocket fails to launch, losing navigation satellite | Reuters
- Japan’s new flagship H3 rocket fails to put geolocation satellite into orbit
- Japanese H3 rocket fails during launch of navigation satellite | Space
- H3ロケット8号機の打ち上げは失敗しました | やさしい朝日新聞
