高市早苗首相発言受け 中国の渡航自粛で香港市民は予約維持

香港で日本行きツアーに問い合わせ殺到 注意喚起でも旅行熱は冷めず

※記事を視覚化したイメージであり、実際の事象とは異なります。

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香港の旅行会社の窓口には、朝から日本行きツアーをどうするか尋ねる電話が続いている。台湾有事を巡る高市早苗首相の国会発言を受けて、中国政府が自国民に日本への渡航自粛を呼び掛け、その流れが香港にも及んだためだ。それでも、多くの香港市民は予約をそのままにし、次の日本旅行の計画を静かに練り直している。政治の緊張と、身近な観光地としての日本への親しみが、同じ街の中でせめぎ合っている。

中国と香港の注意喚起、それでも据え置かれた警戒レベル

中国外務省は11月中旬、高市首相の台湾情勢に関する国会答弁を「挑発」と批判し、日本への渡航を当面控えるよう自国民に注意を出した。これを受け香港政府保安局は15日、日本の旅行安全情報を更新し「2025年半ば以降、日本国内で中国人を狙った襲撃が増えている」と書き加えた。ただし、具体的な事例や統計は示されず、渡航自粛までは要請していない。警戒レベルも福島第1原発周辺のみが3段階で最も低い黄色で、その他の地域は指定されていない。

強い表現が並ぶ一方で、香港当局の実務は抑制的だ。旅行会社にツアー販売の中止は求めず、監督機関も通常どおり催行できると説明している。市内では航空券の変更を検討する人もいるが、予約をそのままにする人の方が目立つ。日本を何度も訪れてきた住民にとって、今回の注意喚起は日中関係の緊張の一場面として、一定の距離を置いて受け止められている。在香港日本国総領事館の資料でも、香港の対日感情は「一般的には極めて良好」とされる。

数字が物語る香港人の訪日熱

日本政府観光局の統計によると、2024年に日本を訪れた香港からの旅行者は268万3500人と過去最多だった。人口約753万人の都市から、2人に1人以上が1年間に日本を訪れた計算になる。新型コロナ禍で途切れた往来は急速に戻り、直行便の復便や地方空港へのチャーター便も相次いだ。買い物や温泉、アニメの聖地巡礼まで、短い休暇を日本で過ごすスタイルがすっかり定着している。

今回の注意喚起後も、この流れが一気に逆転した様子はない。香港の航空会社は日本行きの便について予約変更などに柔軟に応じているが、欠航は出ていない。旅行会社では団体ツアーへの新規問い合わせがやや減ったものの、大量キャンセルは発生していないという。地元の大手旅行会社は「地震など身の危険を感じるときには需要が急に落ち込むが、政治の話題だけでは客足は鈍りにくい」とみている。香港の人々にとって、日本は近くて馴染みのある「いつもの旅先」であり、そのイメージが簡単には揺らいでいない。

揺れる感情と観光地へのまなざし

街頭では、注意喚起をどう受け止めるかについても温度差がある。30代の香港人女性は「香港人ならあまり気にしない」と話しつつ、「もし日本旅行が禁止になれば困る」と先行きを不安がる。別の40代女性は「中国本土からの団体客が減れば京都が少し静かになるかもしれない」と語り、観光地の混雑緩和を期待する声も紹介した。政治的な対立が、観光公害と呼ばれるオーバーツーリズムの緩和につながるのではないかという複雑な感情が、会話の端々ににじむ。

空港の出発ロビーには、スーツケースを押しながら日本行きの搭乗案内を待つ家族連れの姿が並び、その足元で、政治のざわめきとは別の時間が静かに流れている。

参考・出典

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