米国との駆け引きで イラン原子力庁長官が制裁解除なら濃縮度低下を検討

イランがウラン濃縮低下を検討、制裁全解除が条件 停止は含まず  

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制裁解除をめぐる米国との駆け引きが、イラン核問題の交渉を再び動かしつつある。イランの原子力庁トップ、モハンマド・エスラミ長官は2月9日、全ての金融制裁が解除されるなら、ウラン濃縮度を低下させることを検討する可能性があると述べた。濃縮の「停止」ではなく「低下」を条件付きで示した点が注目される。

金融制裁全面解除条件 濃縮度低下の検討

アルジャジーラなどによると、エスラミ氏は、60%まで高めた濃縮ウランの扱いについて問われ、「見返りとして制裁がすべて解除されるかどうかにかかっている」との趣旨を語った。米側が求める制裁の枠と、イラン側が求める「全面解除」の隔たりが、そのまま交渉の壁になる構図だ。

エスラミ氏は、濃縮ウランを国外へ移す案についても否定的な姿勢を示し、協議の議題になっていないと強調した。新華社やアナドル通信は、保管先としてロシアやトルコなどの名が取り沙汰されてきたが、イランは基本方針として国内保有を崩していないと伝えている。

今回の発言は、制裁緩和と核面の譲歩を結びつける「交換条件」を、当局者が公に踏み込んで言語化した点に意味がある。一方で「全面解除」が前提である以上、妥結の入口を広げる発言であると同時に、要求水準の高さも改めて示した。

核協議再開の綱引き 制裁と濃縮の交換

協議はオマーンの仲介で進む。ガーディアンによると、両国は2月6日にオマーンのマスカットで間接協議を行い、核問題に限って対話を続ける方向を確認した。イラン側は核以外の議題拡大を避けたい立場で、米側は濃縮の大幅な制限や、より広い安全保障課題も視野に入れる構えとされる。

核合意は2015年に成立したが、その後に米国が離脱し、制裁と核活動の応酬が続いた。濃縮度60%は兵器級に近い水準で、アルジャジーラは「核兵器を保有しない国で60%まで濃縮する例は極めて異例」と位置づける。AP通信も、周辺国が「限定的な合意」に警戒感を強めていると報じており、交渉の落としどころは地域の不信とも絡む。

交渉の核心は、制裁をどこまで、どの順番で外すかという政治判断と、濃縮の水準・在庫・検証をどこまで具体化できるかという技術設計の同時解決にある。互いの不信を前提に、段階的な見返りを積み上げる枠組みを作れるかが、次の合意の現実味を左右する焦点となる。

参考・出典

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