財務省、EUのロシア凍結資産案巡る米報道を事実無根と否定 記事撤回要求

ロシア凍結資産担保融資、日本の参加拒否報道に財務省が強く反発

※記事を視覚化したイメージであり、実際の事象とは異なります。

本サイトの記事や画像はAIが公的資料や報道を整理し制作したものです。[続きを表示]ただし誤りや不確定な情報が含まれることがありますので、参考の一助としてご覧いただき、実際の判断は公的資料や他の報道を直接ご確認ください。[私たちの取り組み]

欧州連合(EU)が構想する「ロシア凍結資産を担保にしたウクライナ向け融資」を巡り、日本が参加を拒んだと伝えた米メディアの記事に対し、財務省が強い抗議の姿勢を示している。12月9日夜、三村淳財務官は報道内容を「事実無根だ」と否定し、片山さつき財務相はG7財務相会合で、逼迫するウクライナ支援で日本に何ができるかを述べただけだと説明したうえで、記事の撤回を求める意向も明らかにした。

日本の即時否定が映す、対ウクライナ支援と安全保障観

日本の財務省が問題視したのは、8日のG7財務相会合で日本がEU案への参加を「拒否」し、自国が保有する約300億ドル規模のロシア凍結資産は融資に充てられないと説明した、とする報道だ。三村財務官は9日夜、記者団に対し、片山財務相は会合で「ウクライナの厳しい資金需要に日本としてどう応えるか」を述べたのであり、ロシア資産を使わないといった趣旨の発言はしていないと強調したうえで、記事を掲載した米政治サイト「ポリティコ」に抗議する考えを示した。

三村氏は同時に、日本は自国の国益と東アジアの安全保障を踏まえつつ、ウクライナ支援を続けてきたと説明している。日本政府は、ロシアによる力による現状変更を黙認すれば、将来日本が同様の脅威に直面しかねないとの危機感を繰り返し示しており、対ロ制裁や財政支援を「自国の安全保障に直結する課題」と位置づけている。そうした中で「日本がEU案を突き放した」との印象が広がれば、対外的な信頼や制裁連携へのコミットメントが疑われかねないとの読みも透ける。

一方で、情報源がEU外交筋など匿名の関係者に限られる報道は、今回のように当事者の公式説明と食い違うケースもある。ウクライナ支援の枠組みは軍事・経済の両面でプロパガンダの標的にもなりやすく、日本の姿勢を巡る評価が国際世論の中で独り歩きするリスクもある。政府が異例の速さで全面否定と抗議方針を打ち出した背景には、実際の政策判断と異なるイメージが固定される前に、G7の一員としての立場と支援の意思を改めて示しておきたいという計算も働いているとみられる。

EUの「凍結資産活用」構想と、日本が抱える法的ハードル

今回の火種となったのは、EUが主導するロシア凍結資産の活用構想だ。欧州にはロシア中銀などの資産が約2,000億ユーロ規模で凍結されており、その利子や価値を担保に、ウクライナ向けに数百億ユーロ規模の「賠償ローン」を供給する案が協議されている。主な保管先はベルギーの国際決済機関ユーロクリアで、法的リスクを懸念するベルギーが慎重姿勢を崩さない一方、12月18日のEU首脳会議までに方向性をまとめたいとの思惑も強い。

ポリティコは、こうした枠組みをG7全体に広げるべく、EUが日本にも参加を要請したが、日本側は法的問題を理由に、自国で凍結している約300億ドルのロシア資産をウクライナ向け融資の原資に使うことはできないと伝えた、と報じた。記事は、EUの構想に国際的なお墨付きを与えるうえで日本の協力は重要だったが、その道が閉ざされたと分析している。しかし日本政府は、そもそも会合でそのような説明を行っておらず、日本の姿勢が「拒否」と表現されるのは不正確だと主張している。

もっとも、日本が将来的にEU型の枠組みに参加するにせよしないにせよ、ロシア国家資産の扱いには国際法や国内法の精査が不可欠であり、米国を含むG7全体で足並みをそろえる必要がある。8日のG7財務相会合の共同声明でも、凍結資産の活用可能性を探る姿勢が示されつつ、「国際法に整合的な形」での対応が前提とされた。日本政府は現時点で具体策を公表していないが、EU内の議論や米国の判断もにらみながら、自国の法制度と安全保障上の利害をどこまで踏み込んで調整できるかが、今後の焦点になりそうだ。

参考・出典

ニュースはAIで深化する—。日々の出来事を深掘りし、次の時代を考える視点をお届けします。

本サイトの記事や画像はAIが公的資料や報道を整理し制作したものです。
ただし誤りや不確定な情報が含まれることがありますので、参考の一助としてご覧いただき、
実際の判断は公的資料や他の報道を直接ご確認ください。
[私たちの取り組み]