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政府が2026年1月をめどにまとめる「外国人政策」の基本方針で、在留資格や国籍取得の運用をより厳格にし、税の未納や社会保障給付の不正受給を防ぐ対策を前面に出す方向となった。あわせて、受け入れの土台として、日本の法制度や文化・生活ルールを学ぶプログラムも新設する構想がある。取り締まりと支援を並走させ、どこまで「公平」と「安心」を形にできるかが焦点になる。
審査が厳しくなるほど、提出書類と確認の負担は増える
柱の一つが、永住許可や帰化（日本国籍の取得）の入口を狭めることだ。報道では、帰化の居住年数要件の見直し案も検討対象に入っているとされる。永住許可も、出入国在留管理庁のガイドラインで「素行」や「独立の生計」などを要件に掲げており、実務での確認がより細かくなる可能性がある。
現場への波及は、制度そのものより「証明の手間」として表れやすい。例えば、更新や許可の局面で、納税や保険料の支払い状況を示す書類の提出が増えれば、申請者だけでなく雇用主や自治体窓口の作業も重くなる。未納や不正受給を防ぐ仕組みを徹底するなら、どの情報を、誰が、どの範囲で照合するのかが運用の要になる。
「秩序ある共生」を掲げる司令塔、支援策の設計が問われる
政府は、関係閣僚会議を軸に、外国人施策の司令塔組織も整えた。2026年1月の方針取りまとめは、各省の個別施策を束ね直す節目となる。今回の構想には、法制度や文化を学ぶプログラムの創設も含まれ、ルール順守を求めるだけでなく、生活上のつまずきを減らす「入口の整備」を同時に進める狙いがうかがえる。
もっとも、厳格化と受け入れはトレードオフになりやすい。経団連は在留外国人の増加や人材獲得競争の激化を踏まえ、戦略的な受け入れ環境整備の必要性を訴えている。制度を締めるほど、必要な人材を呼び込みにくくなるとの懸念も出る。問われるのは、厳格化の基準をどこまで透明にできるか、学習プログラムを誰が担い継続性を持たせるか、という実務の設計である。
