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茂木敏充外相は2025年12月23日の記者会見で、2026年度の外務省予算案に、同志国の軍へ防衛装備品などを無償で供与する政府安全保障能力強化支援(Official Security Assistance、OSA)として181億円を計上する見通しだと説明した。2025年度比で100億円の増額となり、外交の手段が「開発支援」だけでは語れなくなっている。
装備品は届いて終わりではない
OSAは、警戒監視や通信、輸送などに使う機材を通じて、相手国の安全保障上の「穴」を埋める狙いがある。だが現場では、受け取った後の訓練、維持整備、部品の調達、運用ルール作りまでがセットになる。金額が膨らむほど、供与の効果を左右するのはモノそのものより、運用を回す人と体制だ。
外務省の公表資料では、OSAは潜水作業支援船や停戦監視用機材、航空管制用機材など、用途を限定した案件として積み上がってきた。いわゆる「武器輸出」と同列ではないにせよ、軍に直接入る支援である以上、受け手側の治安運用や周辺国の受け止め方に影響が出る。供与後の追跡と説明責任が欠かせない。
増額が映す外交の優先順位と宿題
OSAの拡大は、インド太平洋での抑止力や連携を「装備」という分かりやすい形で補強する一方、外務省予算の中で何を後回しにしないかという論点も生む。在外公館の安全対策や邦人保護、情報戦対応など、同じく緊張の高まりで需要が増える分野は多い。限られた予算の配分は、外交の優先順位そのものだ。
市民団体の側には、無償供与の拡大が地域の緊張を高めかねないとの懸念もある。金額が181億円規模に達するなら、対象国の選定基準、供与する装備の範囲、目的の達成度をどう測るのかを、政府はこれまで以上に具体的に示す必要がある。増額は「できること」を広げるが、同時に「説明しなければならないこと」も増やす。
