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衆院選挙の仕組みを大きく組み替える議論が一気に熱を帯びてきた。衆院選挙制度の大幅な見直しを掲げる超党派議連が5日、国会内で開いた会合では、自民党や日本維新の会の議員も含め、多くが中選挙区制と有権者が複数候補へ投票できる「連記制」を組み合わせる案を口にした。議員定数の1割削減法案とも絡む中で、多様な民意をどこまで議席に反映できるのかが問われている。
有権者から見た「中選挙区連記制」
国民民主党は2日の会見で、定数3の中選挙区を140設けることで衆院の定数を現在の465から420へ減らす具体案を示し、中選挙区連記制を「議論のたたき台」と位置づけた。中選挙区は1つの選挙区から複数人が当選する仕組みで、連記制では有権者が複数の候補に票を配れる。現行の小選挙区比例代表並立制は得票と議席の差が大きくなりやすい面もあり、より多様な選択肢を示せる制度として期待する向きもある。
一方で、比例代表を縮小または廃止して中選挙区に一本化すれば、小政党や特定課題を掲げる勢力が議席を得にくくなるとの懸念も根強い。テレビ朝日系の番組で選挙制度を研究する梅田道生・駒澤大教授は、大政党と中規模政党が有利になり、小さな政党には不利に働きかねないと分析する。地方紙の社説などからも、少数意見の拾い上げをどう確保するのかを丁寧に検証すべきだとの声が相次ぐ。
政党の計算と議席削減、交差する思惑
自民党と日本維新の会は、衆院議員の定数を1割減らす法案を今国会で成立させたい考えだ。協議が1年以内にまとまらなければ小選挙区25、比例代表20を自動的に削る条項も盛り込み、民主主義の根幹を急ぎ過ぎだとする批判が各紙の論説で示されている。こうした中で開かれた5日の超党派議連では、中選挙区制への移行を求める声が相次ぎ、衆院議長に選挙制度協議会の議論加速を促す申し入れをすることになった。
政治資金を巡る不信が続く中で、各党は選挙制度改革を「政治改革」の象徴として打ち出そうとしている。しかし、どの制度にも長所と弱点があり、誰が得をし、誰の声が薄れるのかという利害は大きく異なる。中選挙区連記制を含む選択肢を検討するのであれば、議席削減ありきではなく、どの民意をどの程度国会に届けるのかという原点から時間をかけて設計することが、主権者である有権者にとっての本当の「改革」につながるだろう。
