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カンボジアの捜査当局が12月11日、南部シアヌークビルで日本人16人を拘束した。特殊詐欺に関与した疑いがあるという。特殊詐欺は、電話やSNSで公的機関などを装い、金銭をだまし取る手口の総称だ。在カンボジア日本大使館が12月16日に取材へ応じ、拘束の事実を認めた。
「拘束された日本人」をどう守り、どう確かめるか
日本大使館は、現地当局から連絡を受け、連携しながら対応する方針を示した。拘束の段階では、氏名や年齢、被害者の有無などが公表されにくい一方、領事面会など邦人保護の手続きは急ぐ必要がある。捜査が進むほど「何をしていたのか」を問われる局面も増える。支援と捜査協力の両輪を、限られた情報の中で同時に回すことになる。
リゾート地の陰で続く「詐欺拠点」摘発の連鎖
シアヌークビルは海沿いの観光地として知られるが、カジノやホテルの開発が進む一方、国際犯罪の拠点になっているとの指摘も根強い。FNNなどは今回、詐欺拠点とみられる施設で日本人が拘束されたと伝えた。日本人をめぐっては2025年に入り摘発が相次ぎ、11月にはカンボジア南東部バベットで日本人13人の拘束が確認されたケースもあった。点ではなく線として捉えると、「場所を変えながら続く同型のビジネス」が浮かぶ。
入口は求人、出口は送金、残るのは国境をまたぐ後始末
東南アジアの詐欺拠点は、オンラインで人を集め、複数の国をまたいで送金させる。国連薬物犯罪事務所（UNODC）が近年の報告で、地域に根差した拠点型のサイバー詐欺が広がり、取り締まりに合わせて移動もするという構図を示してきたと、DWなどが伝えている。日本側から見れば、渡航前の「仕事の誘い」の時点で危険を見抜けるかが最初の防波堤になる。拘束のニュースが増えるほど、被害と加担の境界を社会全体で点検する必要が高まる。
