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爆発音で目を覚ました住民たちは、廊下に立ちこめる煙と炎を前に、暗い階段を押し合うようにして避難した。2025年11月19日未明、ロシア軍のドローン攻撃がウクライナ第2の都市ハルキウの集合住宅を襲い、子ども2人を含む32人が負傷した。火災は周辺の車や建物にも広がり、静かな夜は一転して救急車と消防車のサイレンに包まれた。
真夜中のドローン19機、集合住宅を直撃
ハルキウ州のオレフ・シニエフボフ知事によると、ロシア軍は同日未明、スロビツキー、オスノビアンスキー、ネミスリャンスキーの3地区に向けて計19機の無人機を発射したという。そのうち少なくとも1機が集合住宅に命中し、上層階の一部を焼き抜いた。現場では消防隊が炎と煙を食い止める一方で、住民は毛布や最低限の荷物だけを抱えて外に出された。
地元当局の集計では、負傷者は子ども2人を含む32人にのぼり、うち6人が入院して治療を受けている。アパートの煙に満ちた階段室からは、子ども3人を含む48人が救助され、寒空の下で点呼や応急処置が続いた。衝撃波と火災で少なくとも10台の車が焼け、近くの住宅やガレージ、オフィスの屋根、スーパーマーケットも損壊したとされる。
医療施設も被害、長期化する都市への圧力
被害は住宅だけにとどまらなかった。イホル・テレホフ市長は、無人機の1機が医療施設の近くを攻撃し、医師1人が負傷したほか、建物の外壁や窓、周囲の車が壊れたと説明した。市民の命を守る場が直接脅かされたことで、救急や通院の体制にも一時的な混乱が生じた可能性がある。治療の最前線で働く人々が負傷するたび、地域の不安はさらに深まる。
ハルキウはロシア国境から約30キロに位置し、2022年2月の侵攻初期に地上部隊を退けて以来、ほぼ毎日ミサイルやドローンの攻撃にさらされてきた。電力網や輸送、医療などのインフラが繰り返し狙われる中で、市民は窓にテープを貼り、非常用の荷物を玄関先に置くといった「常態化した備え」を続けている。今回のように住宅と医療施設が同時に傷つく攻撃は、前線から離れた都市生活でさえ安全ではない現実をあらためて示した。