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自公連立の“常態”が崩れ、議事堂の空気が一段と張りつめている。公明党が自民党との連立離脱の方針を固めたことで、臨時国会の首相指名選挙は一気に読みづらくなった。衆院で野党が足並みをそろえれば政権交代が射程に入るため、各党は駆け引きを加速させている。決するのは数よりも“呼吸”かもしれない、そんな緊張が広がっている。
与党分裂の衝撃が走る永田町
秋の気配が濃くなった国会前に、報道各社の中継車が並ぶ。2025年10月10日、公明党が自民党との連立政権から離脱する方針を決めたとの知らせが広がり、与党の枠組みは事実上解消へと向かっている。現時点で確認されている範囲では、連立合意の維持を模索してきた両党の調整は不調に終わり、臨時国会の首相指名選挙は“数の読み直し”を迫られる展開になったと映る。
自民党の高市総裁は10日の党首会談後、首相指名選挙への臨み方を問われ「召集日まで一生懸命できる限りのことはしていきたい」と党本部で記者団に語った。自民は衆院で比較第1党の位置を保つが、単独で過半に届かない状況は変わらない。高市氏はなお首相を目指す構えで、会派の引き締めと支持の上積みを急ぐとみられる。
一方の公明党は、斉藤代表が同日の取材に対し、首相指名の決選投票で自民候補か野党候補か、いずれに与するかを明言しなかった。党幹部からは、いずれにも票を投じない可能性を示唆する声も漏れ、態度表明を巡る含みが増している。キャスティングボートを握る自覚と、支持母体への説明責任のはざまで慎重姿勢がにじむ。
票読みの現実、数は語るが決め手は一致点
衆院の力学は大きく揺れている。現在の会派別勢力は、自民が196、立憲民主・日本維新の会・国民民主の3会派合計が210とされ、単純な多数では野党側が上回る。ただし政権の鍵は過半数の233であり、3会派が本当に一枚岩になれるかが焦点になる。現時点で確認されている範囲では、野党が一致して候補者を立てれば局面は一気に変わる構図が浮かぶ。
立憲民主の安住幹事長は、国民民主の玉木代表を有力とみて一本化を提案した。立憲の野田代表も10日、「丁寧に協調、共闘を呼びかけていきたい」と語り、候補者調整を急ぐ。これに対し玉木氏は同日、「内閣総理大臣を務める覚悟はある」と強調し、安全保障やエネルギーなどの基軸政策で一致点を詰めるよう立憲に求めた。政策の“芯”を合わせられるかが、数以上の決め手になりそうだ。
維新の吉村代表は読売テレビの番組で「立民と国民民主が玉木氏でまとまるのであれば、話は聞く」と述べたとされる。維新の参加が本格化すれば、首相指名の第1回投票から情勢は塗り替わり得る。もっとも、維新が重視してきた統治改革や行財政の優先順位が、野党全体の合意形成にどう馴染むのかは未知数である。足並みをそろえるには、理念と現実の針を振り切らない調整が要る。
言葉の行間、各党の本音
与野党の発言はそれぞれの事情を映す。高市氏の「できる限り」の一言には、票読みの厳しさと同時に、無所属や小会派への丁寧な働きかけを続ける決意がにじむ。斉藤氏が決戦での態度表明を避けたのは、支持層の分断回避を最優先した現実的判断と受け取れる。野党側の「一本化」論も、理念の差をのみ込む覚悟を問う提案であり、容易ではないが効果は大きい。
臨時国会の召集まで残された時間は多くない。国民民主の玉木氏は「覚悟」を口にし、立憲の野田氏は「協調」を強調した。維新の吉村氏は「話は聞く」と扉を半歩開いた。言葉をつなげば、合意の余地は確かに見える。だが、首相指名は一票でも足りなければ届かない。最終盤で誰がどの旗を掲げるのか。投票用紙が投じられる瞬間まで、不透明さはむしろ濃くなるとみられる。